院生による院生のための第2回飲み会に参加した。 一軒の店で3時間をまったり過ごした後で、一次会だけで解散。 昔の自分からは想像もつかない真面目な飲み方に苦笑を禁じえない。 帰り道、真ん丸の月がやけに遠く、でもはっきりと視界に写った。
本日の一冊: ・『バブーシュカ』(吉本ばなな/新潮社『吉本ばなな自選選集2 Love』)
これまた書き下ろし小説である。 まずは作者のことばをあとがき「私とラブのあいだには」から引用。
「バブーシュカ」は、なんだかとても好きな小説です。 選集をひっぱってくださっている、新潮社の××さんに捧げます。 捧げようと思って、一生懸命××さんの頭の中のイメージをのぞかなければ、 この静かな哀しい小説は書けなかったと思います。
「静かな哀しい小説」・・・まさにその通り。 大切な誰かがひどく傷ついた時に、本当に必要なのは何なのかを考えさせられる。 確かに言葉は便利だ。存在しなければ、きっと世界中の人々が困るだろう。 しかし、「言葉」というオブラートに包まれてしまったがゆえに、 見えなくなってしまったもの、失ってしまったものも実は結構多いのだ。
そんなとき、言葉がどれほど害になるか、私は身をもって知ることになった。 それがどんなに思いやりを持って発せられても、言葉はすべて強過ぎて、 まるで毒みたいに、弱った彼の心をむしばんでしまう。 人が日々を生き抜く過程において、必ず身に覚えがあるはずの経験。 何を言われても、相手の言葉を素直に受け入れることができなかったり、 一生懸命言葉を尽しているつもりでも、相手にうまく伝わらなかったり。 ヤキモキして、イライラして、途方にくれてしまう一瞬である。
ならば、その時にはどうすればいいのか・・・それがこの小説に書いてある。 言葉でなくても伝わる術があるよと教えてくれている。 意外と簡単なのだ・・・まずは、優しく微笑もう。
※バブーシュカ ロシアの伝説上の人物である老魔女バブーシュカのことかな。 イエス・キリストの誕生の際、三賢者にベツレヘムへの道案内を頼まれるが、 その頼みを断ってしまっために罰を受けることになってしまい、 それ以後は贈り物を持って三賢者の後を追いかけているという民話がある。 しかも、その道すがら、良い子達にプレゼントを置いていくというのだから、 いわゆるロシア版サンタクロースというヤツなのだろうと考えられる人物名。
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