日常6時15分に起床する習慣にちょっと反抗を試みる。 11時44分までゴロゴロベッドの中に収まっていたのでさすがに身体はだるいが、 気分は晴れやか・・・でも、こういうものはたまにだからありがたみがあるのね。
本日の一作: ・『野菜スープ』(吉本ばなな/新潮社『吉本ばなな自選選集3 Death』)
ばなな作品で切っても切れないキーワードが「Death」。 それに真っ向から向かって行った短篇を読むのが起きてすぐの作業になった。 物語はマンションで一人暮らしをしている美しい未亡人が、 友人である「私」に特製の野菜スープを振舞うシーンから始まる。 一見すれば心温まるシーンだからこそ、少しだけ淋しい。 最愛のご主人を亡くし、狂気寸前で現実に戻ってきた彼女の現在の生活は、 部屋に一切時計を置かない代わりに、当人だけの時間軸を持って作られる。 そんな彼女の傍にいる「私」は彼女の寝室で、死について考え、 彼女の中で欠けてしまったものを思って、切なくなる。 そして祈る、彼女の一人だけの世界に早く光が差し込むように・・・
あとがき「慣れない」では筆者自身の短篇に対する言葉がある。
書き下ろしの「野菜スープ」という短編はほぼノンフィクションですが、 実話というほど全部が実話ではなく、我ながら、うまく書けたと思います。 長年、死について書き続けてきて、ちっぽけだけど、 ある到達点を見ることができたような気がしました。
なるほど・・・生意気を言わせてもらうならば実は、 今までのばなな作品に比べて今作品は本当にリアルだと思ったのだ。 死というものと生きている人間の関わりがずっとリアルだと。 嗚呼、実話だったのだ、しかも筆者が巧くアレンジを施した実話。 そう分かった時、私はますますばなな作品を愛しいと思った。
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