早いもので第6回目、ゼミは引き続きK氏による進行でお題はコレ↓ (ただし、ちょっと男性は読みづらいぞ)
本日の一作: ・『恐ろしい愛』(川端康成/新潮文庫『掌の小説』)
この短篇は以下のような書き出しから始まる。
彼は妻を極度に愛した。つまり一人の女を愛し過ぎた。
そして、彼の妻は彼の愛ゆえに若くして死ぬこととなった。 彼は天罰だと思って、妻以外の女性を遠ざけて生活を営み始めた。 ただ1人、彼にはどうすることもできない女である娘と一緒に。 その後、彼は娘の秘密を垣間見て知ってしまった。 しかも、娘も彼が自分の秘密を知ったことを知ってしまった。 そこである夜、娘は寝ている彼に短刀を突きつけるのであるが、 彼はそれもまた妻を愛しすぎた故の天罰だと思い、甘んじて受け入れようとする・・・
娘の秘密、それはおそらく初潮を迎えたことを意味するのであろう。 ここまでは意見が一致したのであるが、K氏が首を捻った。 「それを知られたぐらいで、殺そうなんて思うかね?」 私とT甫女史は思わず苦笑である・・・だって、分かるもの。 確かに殺意までいくと異常であるが、それは絶対知られたくない秘密なのだ。 特に娘は母親がいない・・・相談する相手がいないのである。 娘のショックは想像に難くないではないか。
今回の小説は男性であるK氏はかなりてこずってたようだけれど、 女性の立場から読むともう少しすんなり読めるような気がする。 と同時に、このような小説を書いた作家が男性であることに畏敬の念。
そういえば、吉行淳之介がかつてこのようなことを言ってたらしい。 川端康成は女性が初潮を迎えた時の悲しみを理屈で分かるのではなく、 感情的に理解できる作家であると・・・この作品で強く納得。
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