ヤグネットの毎日
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2002年01月22日(火) |
小説を読むことの醍醐味 |
昨日は、朝から雨。保育園に息子を送るときがいちばん激しかったようだ。こんなときに限って、「だっこがいい」と息子はいう。車からおろして土砂降り雨のなかをまず息子をだっこして保育園に駆け込み、あとから布団と荷物をもっていった。 仕事がたまっているのだけれど、風邪をひいてしまって思うようにはかどらない。メールマガジンも二週間も発行できずにいたので、なんとかこれだけは仕上げることができた。 いまの風邪は咳きと鼻水、のども痛くなるので要注意。
話はかわるが、ぼくの日記を読んでくれている人は、活字が好きな人が多いと思う。ぼくも本は大好きだ。 最近、ネットで本が好きな人たちのつながりが生まれてきて、本を読むのが楽しくてしかたない。 ぼくの場合、以前は社会科学系の本が多かったが、最近はもっぱら小説を読む時間のほうが多い。社会科学は自分の仕事に直結しているので、本来はもっと時間と册数を多くしなけれいけないのだけれど…。 小説を読む醍醐味とは、他人の人生を架空の世界で生きることを可能にすることではないだろうか。人は、自分の人生を重ねて共感や反発や思索を小説に登場する人物に重ねる。なぜ、小説を読むのかを僕流にいえば「自分の人生をより豊かにするため」ということにつきる。 よくよく考えれば、「ウェブ日記」というのも、自分の人生を他人にさらけだすこと、読み手からみれば、他人の人生をのぞいてみることだろう。ぼくも結構他人の日記を読むけれど、「なるほど」と思うことが多い。大概そう言う時は、自分の生活にもこういうふうに生かしてみよう」とプラス思考がはたらくものだ。 ところが、世間を震撼させている、東京・新宿の公園での爆発物事件は、直木賞作家の藤原伊織さんの「テロリストのパラソル」に類似点が多い、とのこと。エンターテイメントとして小説を受け取ることができないばかりか、仮に犯罪に利用しようとして、小説を読んでいたとすれば、全く許せない話である。 藤原さんのコメントが大変印象的だった。一部をご紹介しておきたい。。
「犯人が万一、僕の小説を読んで参考にしたとすると、極めて憂うつだ。(中略)爆発の状況から、ホームレスの方々を対象にした可能性が高いと思うからだ。失業率が5%を超える時代。自ら望んでホームレスになった人はほとんどいない。政府の無策によって生み出された弱者が、さらに傷つけられた。我々サラリーマンの世界も含め、より弱い者に暴力が向う日本の負の側面を象徴している。憤まんやるかたない」 (「朝日」1/20付 社会面から) こういう時代だからこそ、他人の人生を生きてみること=小説を読むことがますます大切なのではないでろうか?
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