ヤグネットの毎日
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2002年01月24日(木) 難病指定

 議員活動では、生活相談が結構大きなウエイトをしめる。
 昨日は市役所で二つの相談事を解決するため調べものをした。

 ひとつは、児童扶養手当について。いわゆるシングルマザーへの支援策のひとつだ。ところが、国の財政難からこんなところにも容赦なく「切り捨て」メスが入れられる。たとえば、こうだ。別れた夫から送られる養育費は、従来「収入」からは除外されていた。しかし、来年度からはこれも収入と認められる。所得制限がある児童扶養手当は、元・夫からの養育費を断らなければ手当てをもらうことができない、というケースも出てこないとも限らない。昨今、DV法(ドメスティック・バイオレンス)が制定されるなど、夫や恋人から暴力が大きな社会問題となり、これらに苦しめられ悩む女性を社会的に支援することが喫緊の課題となっている。児童扶養手当ての「改悪」は、明らかにこうした流れとは逆行するものだ。

 もう一つは、難病指定について。相談を受けた方の病名は、「混合性結合組織病」。膠原病だ。この病気は国の難病指定に含まれ、医療費は免除されるもの。私はそう理解していた。相談者のかかりつけの医師もそのことを疑わず診断書を書き、それをもとに相談者は保健所へ申請した。ところが、保健所からは、「診断基準をみたしていませんので認められない」という返事がきたという。
 相談者は、「自分より症状のひどい方はたくさんいるので、自分が受けられなくても…」と納得をされていたようだ。だが、ぼくはどうも納得がいかなった。
 保健所へ問い合わせをした。そもそも難病指定の正式名称は、「特定疾患医療費公費負担制度療」という。原因が不明で治療法が確立していない、いわゆる難病のうち、診断技術が一定確立し、かつ難易度、重症度の高い46疾患を特定疾患に指定して、治療研究事業を行う、というものだ。少しひねくれた見方をすれば、国の研究に役立つかどうかが、判断基準らしい。つまり、「医療費が免除される」というのは、医療研究の対象となることと引き換え、というわけだ。だから、原因不明で治療の難易度が相当高いものでなければ、医療費助成の対象とはなりえない。対応してくれた保健婦さんの話しを総合するとそういうことだった。
 でも、、、。おかしくはないか。
 この方は、かかりつけの医者から難病指定の46疾患に含まれる「混合性結合組織病」と診断された。「難病指定を受けられると思いますから、この診断書を」と言われて保健所に提出した。しかし、審査会では、「診断基準をみたしていない」との理由で却下された。
 この過程のどこに、患者への説明責任が果たされているのか?どういう診断基準があるのか。この方は、その診断基準をどれくらいみたしてないから却下されたのか。「混合性結合組織病」は、難病指定をうけない程度の病気も存在するのか。一向にわからない。
 「好きでかかった病気ではないのですから、特定疾患にあげられる病気であれば、治療法が確立するまで支援してあげるべきではありませんか。それでもだめなのなら、なぜ認められないのかをきちんと説明をしてあげるべきです」と保健所の保健婦さんに訴えた。保健婦さんに責任はないのだが。
 難病とは、現代の医学、科学技術の限界からうまれるものだ。患者本人になんら責任があるものではない。
 現代の医学の限界からうまれるものだからこそ、そこに微妙な診断基準等を設けずに、国で医療費を助成するべきだ。と、ぼくは思うのだが、この日記を読んでいただいているみなさんは、どう思われるだろうか?

 

 


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