ヤグネットの毎日
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2002年03月13日(水) 息子の涙とヘッドライト

予算特別委員会が昨日から始まった。午後から短時間、審議の様子を傍聴した。
 総務関係の審査のなかで、興味深い質問を聞くことができた。
 旧青谷公民館の取り壊し経費等で2600万円が計上されていることについて、城志会の吉野鴻議員が「これから観光協会をたちあげて、まちの活性化をはかろうとしている時に、旧青谷役場だった貴重な建造物を解体するするのは、いかがなものか。新産業の支援だけではなく、まちの文化というものも一つの観光資源として、大切に保存していくべきではないか」と質問した。
 これに対し、栗栖助役は、「指摘をふまえて再検証したい」と答弁した。

 吉野議員の指摘の角度というのは、とても共感できる。僕は、観光とは入り込み客数をどれだけ増やすかという視点もあろうが、これからは、「そこに生活する人たちがしばし日常を離れて心をやすめることができる、空間」としてもとらえるべきだ」という考えを持っている。
 こうした貴重な建造物を保存することは、そのまちの文化の成熟度のバロメーターでもある。
 
 夕べは、僕が役員をしている城陽保育運動連絡会の今年度さいごの役員会だった。京都市内から講師の先生をよんできての学習会を行った。僕は主催者だったのだが、妻がまた学校の仕事の関係で帰りが遅くなった。息子を連れていくことになったのだ。
 「お腹すいていないから、御飯いらない」と6時すぎにはいっていたのに、役員会がはじまると「お腹すいた、お菓子が食べたい」といいはじめた。
 「もうすぐ、お母ちゃん迎えにくるから、待っていてね」といってもダメ。一度言い出すと絶対にひかない。結局、会場の外に連れ出して説得を続けた。ところが、息子はひとりでコンビニを探しにトコトコ歩き出した。「司会をしなければ、、、」と役員会を途中でぬけだして焦る僕。
 「お菓子が食べたい」と泣き出す息子。
 ついに、僕は大きな声を出して叱りつけてしまった。すると、息子の目から大粒の涙、なみだ、ナミダ。
 僕のスーツの裾を掴んで離さない。僕は、その手を払い除けて、息子の左手をつかんでコンビニをめざして早足で歩きはじめた。
 対抗車線を次々と走り抜けていくヘッドライトがまぶしく、通り抜ける夜風が冷たかった。
 でも、涙がかわかない息子の頬はもっと冷たかったのだろうな。大声で叱責した自分を、またいつものように悔いた。


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