ヤグネットの毎日
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2002年12月01日(日) |
「コメント力」を鍛えるを読む |
午前中は、自治体関係者の方、山本よし子議員とともに「しんぶん赤旗」を増やす活動。新しく4人の方に読者になっていただいた。一般紙がスポンサーや政治家を意識しすぎて書けないことを「赤旗」はズバリを書く。国民の立場から「いま」という時代に切り込む新聞だ。もっともっとたくさんの方に読んでいただきたいと思っている。一緒に回っていただいた自治体関係者の方は、いろんな文献や資料を紹介してくれるなど「自治体を住民の立場から変革する」ための僕たちのブレーンのようなたのもしい存在。 午後は、家族と約束していた買い物や12月議会をお知らせする議員団ニュースの作成などにあてた。
有田芳生さんの「『コメント力』を鍛える」(NHK出版 生活人新書)を読み終えた。 「あなたの言葉(こころ)は本当に伝わっているのだろうか」という帯に書かれたキャッチコピーが読んでいる間も、また読み終えてからも頭を離れなかった。 有田さんは、ジャーナリスト。そして、日本テレビ系でお昼の2時から放送している「ザ・ワイド」のコメンテーターを長らくつとめている。その自らの体験から、他人に自分の気持ちを正確につたえるためには、どうしたらよいのかを実践的に解きあかしているのが本書である。
議員活動も、「コメント力」が日々問われる仕事である。演説では5〜10分の短い時間で政策と自分の思いを聴衆に伝えなくてはならない。耳を傾けている聴衆が目の前にいないとき(住宅街などでの演説)は、家から出てきてもらえるような演説をしなければならないので余計に発する言葉に気を使う。 また、家々を訪問しての挨拶や「しんぶん赤旗」の購読をすすめるさいにも、玄関でのわずかな時間で簡潔に相手と言葉のキャッチボールをする必要がある。さらに、議会での質問というのも「コメント力」がためされる。こちらの質問に対して当局の答弁はおおよそ見当がつくものとはいえ、どういうコメントをつけてその答弁を返すのか、瞬時に判断と構成が求められる。 その点で、テレビでせいぜい30秒から1分の間で、問われたことに自分の意見をつけてコメントすることの苦労と共通するものがあるのでは、と感じていた。本書を読みおえて、コメント力というものの本質、そしてそれを実践に生かす方法論が平易な言葉で綴られていて、とても勉強になった。
著者は、コメント力とは何か?の結論部分で、こう述べる。
関心と愛情は認識の基本である。ここでも言葉の根底に人間がある。真剣であればこそ、手垢にまみれた言葉ではなく、共感を生む自分なりの言葉を選び、効果的に伝える方法を考えるはずである。魂の根底から浮かび上がってきた言葉であれば、それがどんなに拙く、洗練されていない者であっても、相手に伝わるはずである。コメント力とは、人格と一体化した生活の技術なのである。(70p)
技術的な問題でもいくつも学ぶべき点があったが、とくに印象に残ったのが「書くこと」について。
私たちは言葉に囲まれて暮らしている。そこからきらめくような言葉の結晶を発見できるかどうか。それはそれぞれの人間のアンテナの感度にかかっている。“自分の言葉”をで対象に的確に認識するためには、どのような訓練をしたらおいのだろうか。それは実際に書いてみることだ。何も難しいことではない。自分の生活のなかでふと感じた疑問や発見を一度言葉で表現してみることだ。それはメモでもいい。「書く」ことは身体で確認すること。ただ漫然と感じたり思ったことでも、文字に記すことで形となる。思考の整理となる。
その意味で、この「ヤグネットの日記」も「コメント力」を鍛える一助になっているかもしれないな、と自分で納得することができた本だった。
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