日記
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2006年11月15日(水) HDI


ちょっと前の記事だけど,UNDPの人間開発指数で,日本が第7位だったらしい。順位表(トップ20は以下のとおり)

これを日本の豊かさの指針と勘違いしている人もいるが,もちろんこれは豊かさを示したものではない。

この数値は(1)長寿で健康な生活(2)知識、(3)人間らしい生活水準。を基準化してみたもの。具体的には,
(1):出生時の平均余命を平均寿命指数に変換。
(2):成人識字率と総就学率を使って教育指数へ変換。
(3):一人あたりのGDP(平均購買力PPP)をGDP指数に変換。そして、この3種の指数を統合指標である人間開発指数に変換している。

つまり,寿命が長ければ健康的な(?)生活,字が読めて学校に通っている人が多ければ知識があるとし,GDPが高ければそれなりにまともな国として算出しているわけ。

ちなみに2004年版では日本は9位だったから,一応躍進をとげたらしい。日本がこれで上位になれないのは,教育指数がネックになっているといわれていた。なぜなら,寿命とGDPは日本がトップ3に入るから。しかし,教育指数のほうがよろしくなく,9位にとどまった。ただ,教育指数の算出がみてもわかるとおり字がよめて学校にいっている学生の数だから,学校に入るほうを卒業するより厳しくしている日本が,学校に入るのは簡単にして卒業するのを難しくしている欧米の学校と比較して,低くなるのは当然だという。ちなみに教育内容はこの指数では問題にしていない。

識字率は,日本はなんとあの性別や人数で変化するのではなく,人間関係の序列で変化するという世界でもっともまどろっこしい日本語を使っているのにもかかわらず,ほぼ100%の人間が日本語を読めるという。まじめに考えるとこんな常に序列を意識しなきゃいけない言葉をよく使いこなせていると自分でも感心する。ちなみに簡単らしい英語はアメリカ人ですら読めない人間が20%いるとマイケルムーアが書いてた。日本の語学教育はかなりハイレベルにあるといえるだろう。

しかし,進学率がかんばしくない。高校進学率からしてすでに80%だから,他の国はもちろん100%,イギリスにいたっては110%と掛け持ちして通っている生徒すらいるということ。

これは高校・大学・専門学校ができるだけ優秀な人間だけからなる閉ざされたコミュニティを作り,その中で学問を行おうという思想だから。それがいいか悪いかはもちろん難しい問題だ。(塾や予備校はそれでもうかっているんだし)

多分これは欧米人には理解不能な発想かもしれない。頭が悪いから学校に入ることができないというのは逆じゃないか?と。頭が悪いから学校にいかなきゃいけないんじゃないの?と彼らなら思うかもしれない。そういう発想での100%という数値だと思うし。しかし,日本の常識はそうではないのだ。日本の常識の1つは世界の非常識であるという例でもあるかもしれない。

しかし,日本では近年高校・大学の入学試験のしきいが下がり,わりと誰でも入れるようになったから,HDIがあがったということらしい。全入にも一応メリットはあるみたいだ。研究機関としての質はさがるんだろうが,馬鹿だから勉強せよという格好の発想にはなりつつある。

僕も馬鹿だから勉強しなきゃな…まずぃで。

ではでは。

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