2006年11月29日(水)
席をゆずる若者 |
なぜか若者でググるとこの記事がトップにくる。休みの日,電車内で山登り帰りのおじいさん連中の「今の若者は席をゆずらなくて…」という話に,若者のほうがこっちは休み返上で働いて今のおじいさんの年金をつくっているのに,その俺たちが今度は年金もらえないなんていうのは不公平だ,そんなおじいさんになぜ席をゆずらなくてはいけないのかといいかえしたという話。
おじいさんのほうはまったくの焼け野原だった日本を高度成長によって支えてここまで豊かにしたのは俺たちなんだという誇りがあるから自然と若者に対しては俺たちを尊敬して当たり前という考えをもってしまうらしい。
上があるから下があるという考えは中国→日本文化では重んじられている考え方だ。当然の真理だし,大事な考え方だと思う。
しかし,今の世の中は集団主義から個人主義にうつりかわり,「その人がなにがやりたいのか,できるか」で判断される時代になりつつある。損か得かが価値観の基準となり,そうなればおじいさんを大事にすると何の得になるのかという話になり,「この瞬間」労働力のないやつを大切にしても意味ないじゃないかという価値観にならざるをえなくなると思う。米国主義には歴史や文化がない…。とにかく今一番働き盛りの人間が,過去のものをすべてぶっこわして革新し続けていく,それを繰り返すという思想。過去のものを大事にしようなんて発想はなくなってしまう。
おじいさんにはかなりかわいそうな思想だが,しかしその思想でアメリカが世界一になれた以上,TOPからその思想を学んでこっちの国も生き残りを考えないといけないから,この流れを否定するわけにはいかないと思う。
アメリカ人に日本は邪馬台国〜平成にいたるまで日本は長い歴史をもっている,それを大切にして生きていきたいんだ!といっても保守主義者,一緒にビジネスはできないの一言で相手にされないんだろうな…。実際トム・ピーターズがそんなこといっていたし。だから,今日本が生き残るために歴史を捨てて…という考え方になって,それが世代間ギャップを生み出そうとしているのだと思う。
…でも,人間っていうのは未来への夢だけじゃ生きていけないんだけどね。今のように未来に夢希望がもてない時こそ過去の歴史のことでも考えてるとまだ楽なんだけど,今は歴史を学ぶことは保守的思想であって好ましくないことなんでしょ?
ではでは。 |
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