2006年12月03日(日)
ゲーム |
ゲーム機Wii発売!すごいと思う。Wiiは任天堂が今の(より美しく,よい音質で,リアルでなくてはいけない)ゲーム開発の流れに疑問をもち,そうではなく操作が簡単で楽しいゲームをつくろうよ!という意見からうみだされたものらしい。
確かに今求められているのはそれだと思う。ドリキャスやセガサターンも画素のよさを売りにしていたし,プレステ3やXBox360もそういう機能のよさをうりにしていたが,そのおかげでなにがおこったかといえば,ただ絵と音楽だけ美しいゲーム,ゲーム本体はとにかくあきる,操作が難しくラグがひどい,起動時間などの待ち時間が長い,とかそういうゲームを量産することになってしまった。
結局ファミコンがスーパーファミコンに,スーパーファミコンがプレイステーションに,プレイステーションがプレステ2にという機能面での進化はそれなりに価値あるものだったが,プレイステーション2である程度ゲーム機がもつべき画素とか音質とかそういうのは完成をみたのかもしれない。実際プレイステーション3ってきいたときは,「いやもういいんじゃね?」って思ったしね。もちろんそういうのをひたすら追求してもいいと思うが,業界の会社全部が全部そうである必要はないと思う。
今やってみたいゲームはときかれれば,Wiiがやっぱり近いと思う。簡単な操作でかっこいい技をくりだしたい。簡単な操作はボタンの組み合わせだと実現するのは難しいので,ああいうコントローラふりまわす格好にならざるをえないと思う。
そういえば…Wiiみたいな発想をきくとなぜかB-TRONが浮かぶ。あの東大が作ってみた次世代パーソナルコンピュータだったんだけど,商売上のトラブルにみまわれてダメになったやつ。
B-TRONも,今のコンピュータがとにかく機能をはやく,大きく,多くしていこうという流れに疑問をもって,そうである必要はないんじゃない?ってことからはじまったらしい。そうではなくよりユーザーフレンドリーにという。具体的にはとにかくキーボードが異質。従来のqwerty配列キーボードはタイプライタ専用のキーボードだったために内部故障がおきないようにするためよりうちにくい配列にしてキータイピングの速度をおそめるようにしている。でも今日びのコンピュータは電気でうごいてんだしはやくうてる配列のキーボードを提案したらどうかとかそういうことらしい。Wiiに近いといっては近いかもしれない。そのほか,お年寄りや障害者の使用も配慮にいれて文字の大きさとか,その他の入出力インタフェースを拡張できるようにといろいろ工夫してある。ハードウェアの性能はiMacや東芝と同じか劣るくらいだったが,ユーザインタフェースの面に関しては気をかなり使った世界初のコンピュータだったかも。
多分,B-TRONが売り出されたら,確かにそれまでそういうコンピュータがなかったことは事実なんだから,売れも売れなくもない商品にはなったと思う。でも,結局不正取引の商品として扱われてだめになってしまった。まぁ,それはいいんだけれども,なぜかこうみると世の中で一番進化のはやい製品ってゲーム機なような気がする。以前はコンピュータだといわれていたが,どうもゲームのほうが進化がはやくない?と。
コンピュータだと新しい概念が定義されてもそれが実用化されるまでは2〜3年はかかる。今コンピュータでは知識社会とかいわれているけど,それが具体的な形となってあらわれるのは2〜3年先だと思う。まだライブラリの機能を全部まる暗記しているほうが尊ばれる時代だし…。
ゲーム機だと,今日定義された概念が半年後はゲームになって実際に売り出されているほどスピードがはやい。
なんか世の中って重要なものになればなるほど,より進化が遅い気がする。歯科医療だって,ゲーム機のスピードで進んでいればインプラントだの3MIX-PD法はとっくのとうに保険でまかなわれて,今はミュータンス菌撲滅化計画なるところまできて誰が世界的なノーベル賞をとれるかという議論になっているような気がする。この世界は新しい技術が実用化されるまでは10年待たなければいけない。
ましてや,100年たってやっと新技術が実用化されるような分野すらある。車や自転車のことですが…。
それらをみて思うのは,やはり誰を相手に売っているのかということだと思う。ゲーム機は基本的には子供相手に売る。どっちかというと社会全体を相手にはしていない。なんか社会相手に商売すれば技術の成長もはやいのではないかと感じられるが,逆なのだ。社会全体を相手にすればするほど保守的になってしまう。
子供相手に売っているから,子供はあきやすいため,常に新しい考え方や製品を提案・販売していかなくてはいけなくなる。子供たちの買い物にはブランド志向なんてものはないので(スクウェアの製品しか買わないなんて子供いないでしょ?)ブランド戦略じゃ売れないので,どんな企業にもチャンスがあり,危機がある。しかも購買意欲が高い層なので,本当に面白い製品なら社会的ブームになるほど売れる。だからゲームの進化ってはやいのだと思う。
その一方でコンピュータとか医療・教育など,万人に必要なものは,ぶっちゃけるとあまり努力しなくても必要性から常に一定のお客さんが確保できてしまう。子供と違って考え方が保守的な方向に定着してしまった大人相手だから,ブランド戦略なんてものでコロっとだまされてしまう…。僕自身もAppleComputer好きだし。つまり,1人の男の自伝や社会的評価1つでたいした商品でもないのに売れたりしてしまう。子供には理解不能な発想だろう(同じゲーム機やソフトを2つも3つも買う子供なんてみたことないし…)。
また,実際に作る側も,今のままで売れるんだし,もう新しい考え方とかいらないよねと考える人もいるわけで,新しい考え方が提案されても,「そんなものいらないから,今のシステムの維持に貢献しなさい」と握りつぶしてしまいがちなように感じる。B-TRONが商品化すらされなかったのは多分それだ。マイクロソフトが特にそれだ。
より新しいものを常に考えつくり続けたけばゲーム業界が一番いいと思う。商品の評価も正直だし。
もしくは戦争がおこるとすべての分野で技術革新はおこるかもしれないけどね…それだけはめんどいので嫌です。
ちなみに保守主義をまるで悪いようにかいてしまったが,よくいえば伝統主義っていうか古きよき時代っていうかそういうのもあるからなんともいえないんだけどね。
ではでは。
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