Mother (介護日記)
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2002年05月22日(水) 過去

今日の日記はちょっと、重いかも。 念のため。


今は特別大変なワケじゃない。

ところが20代から去年の入院までは、母の被害妄想に振り回され、
いっそ死んでしまいたいと思ったことも何度かある。
絹江の妊娠中も、怒鳴ったり泣きわめく毎日で、
このままでは流産してしまうのではないだろうかとさえ思った。

市役所や民生委員に相談したが、老人ホームは数年待ち。
そもそも本人にその気がないのだから、仕方がない。

母に犯人扱いされるレフティーは、ストレスから円形脱毛症となり、
口を利かなくなったりもして『マスオさん』の立場も厳しかった。
もし離婚ということになれば、それは仕方なく受け入れる覚悟はあった。

結婚するまでは『どんなことがあっても母を守らなくては』という、良い子の発想しかなかった。
しかし、いざ自分の家族ができてしまったら、
母のせいで離婚や流産になったらは『一生うらんでやる』とさえ思っていた。
親だからと言って、子供の幸せを奪う権利はないはずだ。
しかし、親子と言う関係から逃れられない状況で、私は将来を悲観し追い込まれていた。

いっそ死んでしまおうか?
しかし、母が残れば家族が迷惑することになる。

それなら、母を殺してしまいたい。
しかしそれでは絹江は殺人犯の娘として生きていかなくてはならない・・・

そんなことを考えて過ごした15年だった。
そう、つまりは私たちの結婚生活はすべて母との戦いであった。

* * * * *

今朝は、7時前から母のセキが延々と止まらず、起こされた。

本来ならば、病気なのだから『大丈夫?』と声を掛けるべきところ、
「うるさくて寝ていられないじゃん。水を飲むか、飴をなめるかしてよ!」
と言った。

なんという娘だろう。

しかし、人間、睡眠を妨げられるとイライラするものである。
母との同居が始まって半年以上、こういう生活が続いているのである。
さすがにストレスも溜まってくる。

外から見れば、介護とも呼べない単なる同居生活なのだけど、
ささいなことが積み重なっていく。

そして起きている時間には、四六時中、タンを吐いている。
その吐き捨てる音がたまらなくうるさく思える時がある。
さらには、咳払いというのか『ううっ、ううっ』と喉を鳴らしている。

今朝は私の虫の居所が悪かったのか、
そういった母の発する音に非常にイライラしていた。

人間は、物音よりも人の声には敏感に反応するようだ。

病気だから仕方がない。
だけど、外に散歩に行けば、そういうことはない。
だから、意識すれば避けられるものなんじゃないか、と思うと、
つい「どうにかならないの?」と言いたくもなる。

今の母は何を言われても口答えをしないので、私は自分のストレスに任せて言いたいことを言う。
私は神様じゃないんだし。

* * * * *

義理の姉(義兄の嫁)から電話がかかってきた。
歳は私より15,6上である。

義姉には、母の被害妄想のトバッチリも飛んでいて、犯人扱いされたこともある。
私が落ち込んでいた時には、愚痴を聞いてもらっていたが、最近は立場が逆になってきた。

義姉とは別居の母親が、ご飯の仕度をしなくなったこと。
一人でいるのが寂しくて掛けてくる呼び出しの電話が頻繁なので
ややノイローゼ気味、体調までも狂ってきたとのこと。

昨日、介護保険の訪問調査を終えたそうだが、その後のシステムなどを説明してあげた。
私から見れば、母とは数段違いの「奥様」だった人だが、歳を取るとみんなそんなものか。

かろうじて30代の私が78の母を看るのと、
50を過ぎた義姉が看るのでは、やはり体力的にも厳しいらしい。
義姉は数年前に子宮筋腫の手術をしてから、体調が優れない。
現在は、甲状腺が腫れているとのことで、これから詳しく調べるのだそうだ。
また歯が痛かったり、頭痛がしたりと、自分自身が調子悪いのに、母親から
『娘なんだから、私を看るのは当たり前でしょう?』などと言われ、
おかずを作っては届けるが、数日後には腐っているのを発見してがっかりする。
そのくせ病院や市役所では『この子は妹と違ってちっとも看てくれない』と言われるらしい。
妹ひいきなのだと言う。

その妹とは、介護について意見が折り合わない。
義姉は、介護保険申請中の今すぐにでも、家政婦を雇いたいのだが、妹は、
『もし認定が下りなかったら自費なので、今後のためにお金はできるだけ使いたくない』と言っているらしい。

「下手に姉妹なんかいなければ、私が一人で決められるのに・・・」とこぼしていた。

こんなことを書いてはいけないかも知れないが、
義姉のうちの方が財政は厳しく、妹の方は数倍にお金持ちなのである。

それらが積み重なってストレスとなり、
来てくれるように電話で呼び出しがあっても「今日は行かない」と断るようになった。
すると「あんたは冷たい」ぐらいのことを言われる。
そのうちに義姉は電話のベルの音量も最小にし、今では留守電にしてしまうこともあると言う。

やっぱり良い子ばかりしてはいられない。


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