Missing Link

2005年05月05日(木) よくある話

 『だったら君が一人でいる理由を聞かせて欲しい』と彼は言った。



 僕の両親は仲睦まじいとは御世辞にも言えない人達で
 僕がいるから離婚が出来ないと
 僕が聞いているかもしれない場所で言い合う人達だった
 (実際聞いてたけどね)

 僕には兄弟がいて
 彼女は両親のような家庭は決して作らないと言って結婚した
 僕は無論それには異存がなかったが
 『それじゃあなたは?』と問われる瞳には見ない振りして笑った

 僕は怖かった
 永遠を誓い合った相手と罵り合う事が
 そんな可能性のある他人と永遠なんて誓えなかった
 例えそれが偽りなら尚更に



 ・・・そんなよくある、気の滅入る話は
 こんな天気の良い、気持ち良い日に
 相手が誰であろうとしたい筈もなく

「一人でいるわけなんてないよ。まだ、たまたま一人なだけさ」

 僕がそう言うと、彼は適当な相槌を打って笑った。
 だけどその笑みは、どこか困ったように見えた。
 本当の事を言っても、同じ表情を浮かべるだろうかと何となく思った。



 < 過去  INDEX  未来 >


翠 [HOMEPAGE]