2002年04月29日(月) |
【4月28日】おじさんの粋な花見 |
【4月28日】 ふかふかの布団で目覚めた私は朝からマメちゃんと神社まで散歩に出かけた。 おじさんは昨日飲んだお酒で二日酔いだと言い、それでも私が起きた時にはすでに山へ行っていて姿が見えなかった。 午後から山菜採りに行くことになり、日焼け止めをたっぷり塗って帽子を被り借りた長靴を履いて準備オーケー。 長靴を履くのが久し振りでちょっと恥ずかしかった私は車に乗るまで、ブーツのようにジーンズの裾を出して履いてみた。
ミトさん:履き方間違ってるよ?(不思議
はい。すんません...。 恰好つけたがりなんでチュ。
こっこさんを迎えに行った。 私がおばさんに借りた帽子はお洒落な可愛い帽子で、それを見たこっこさん「おかーさーん。私にも洒落た帽子ぃぃ。」と玄関を走って戻って行った。 なんて可愛い人なんだろう。と追いかけて見に行った私の眼に映ったのは、おじさんの赤い野球帽を手に持ったこっこさん。「こんなのいやだぁぁ。」と言いながら被っている姿。その姿が凄く可愛いくて面白かった。
山に車で登る。どんどんどんどん登る。 上に登って行くにしたがって、遠くにある雪山と同じくらいの高さになって行く。
おじさん:お前達3人に仕事がある。
道は車1台しか通れないクネクネ道で、上から崩れてきて石が所々をふさいでいるのでその石を蹴ってどけるのだ。ますます楽しくなってきた。 石をどけながら前に進んで行くこと、山に登ることなんてあっただろうか(笑)
おじさんから山での法則をたくさん学んだ。 それは法則というよりもおじさんの山で積んできた体験。
ウドは崖の途中になっているから、そこまで降りて採る。 カッターを支給されたので採りかたを教えてもらう。 ウドってこういう風になってるんだー。 土を掘って赤い根の近くで切る。
ウドは捨てる所が無い。 ウドの葉は天ぷらにすると凄く美味しいし、白いところは酢味噌で食べる。 超美味い。
「こごみ」というゼンマイに似た山菜はゼンマイのようにクルクルとした形で伸びてくる。で、10本あったら、短いこごみを5本だけを採る。 そうしたらまた生えてくるそうだ。 こごみのおひたし最高。 豚肉とこごみの煮付けも超美味しい。
そして天下の「たらんぼ」 たらんぼはトゲトゲの木で、トゲトゲの先端に1個だけしか生えないから凄く貴重。 たらんぼは背の高い木なので専用の手袋を履いて寄せてタランボを採る。 その後に幹を斜めに切るのだ。そうしたらまた生えてくるのだと言う。 たらんぼの天ぷらに惚れた。
フキもたくさんあったけれど、フキの本当に美味しい場所はソトブキと言って説明はできないけどソトについてる部分。そこが美味しいのだ。 でも、まだ季節が少し早いので探すのが難しい。
おじさんが一人で行くときはもっと崖だったりするのだけれど今回は私達の為に危険な場所は避けてくれたらしい。 2.3時間も居ただろうか。帰るときになって水溜りを覗いたらオタマジャクシが泳いでいた。久し振りにオタマジャクシを見たのですくいあげてジックリ見てきた。
うーむ。何年ぶりだろう、おたまじゃくしに触るのって。 もう嬉しくてしょうがない。
大サンショウオのタマゴもあった。 昔からそういうのが大好きな私は持ち上げて見たりして、ミトさんやこっこさんに「よく触れるねぇ。」とビックリされた。
1度山を降りてからおじさんが水芭蕉が一面に咲いてる場所へ連れて行ってくれる。と車をまた走らせてくれた。 その場所に着く頃には夕方になってしまうので、急いで行かなくては行けなかったので車を飛ばしてくれた。
おじさん:ここに俺よりも背の高い鳥がいるんだぞ。 さ&みと:背の高い鳥?
ふとその家にさしかかった。
....ダチョウだぁぁぁぁぁぁ!!!
ダチョウを飼ってるなんてさすがです。しかも2頭(匹?)
水芭蕉は白い花、湿地の多い所に咲いている花でおじさんは何度も「感動するぞー。」と言っていた。
車は占冠の方まで行き、またどんどんどんどん山の上へ上がって行った。 そして「後3キロ」位になった時、私達の眼に映ったのは「道が半分崩れて行けない道だった。 去年の水害で土砂崩れになったそようで、ここから先はどう考えても通れないし、歩いて行くにしては遅すぎる。
諦めるしか無くて皆でガッカリしながら車を降りて来たのだけれど、私が一番残念だったのはおじさんが私達に本当に見せたかったんだろうなぁという所から、おじさんが何度も残念そうに言う姿だった。 水芭蕉が見れないことはおじさんがどうしても見せたかったもので、その気持ちが叶わなかったのが凄く残念だった。
その帰り道に偶然、水芭蕉が20〜30咲いてる所を見つけた。 私とミトさんはそこに長靴で埋まったりしながら見たり写真を撮ったりした。 私にしたら十分に綺麗だったのだけれどおじさんは「あそこはこんなもんじゃねぇ。一面全部がこれなんだ。」とやっぱり悔しそうで、おじさんの気持ちがなんだか凄くあったかく伝わってきたし自然のモノを見るということは私達の都合通りに本当に進まない。ということだった。
【おじさんと桜のビール】 帰って来てからジンギスカンをした。 昨日のようにビールをコップに注いでくれたおじさんがしてくれたこと。
まだ泡の立つコップの中に桜を一つ浮かべてくれた。 綺麗だった。感動した。 こんな粋なことをしてくれたおじさんは本当に最高かっこいい。
変なドキドキがした。 おじさんにドキドキしたのでは無くて、こんなステキで粋なことをさりげなくできちゃうおじさんの繊細な心とか、ただのビールが一気に飲むのも勿体無いものになったこと。
少し照れくさかった私達は、おばさんはおじさんのこういう所にコロッと行ったんんだ。等ととキャーキャーとはやしたてて喜んだ。
ビールの中に桜の花が咲いた。 その桜の中にはおじさんの暖かい心がありました。
|