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2002年10月24日(木) ハリー・ポッター第四巻の初版刷り部数

 本の初版刷り部数というのは、研究書などでは2〜3千というのもあるし(百単位というのもあると聞く)、そこそこ売れる小説のハードカバーで数万。初回で10万部以上というのは、よほど人気のある小説で、前宣伝もしっかりされているような本だろう。

 ところで、<ハリー・ポッターと炎のゴブレット>が今日店頭に並んだ。ハリー・ポッターシリーズの第四巻。旧来とは異なり、上・下巻に分かれている。それだけ、今までの物語より長い。
 シリーズ第三巻は初版刷り部数が80万冊だったが、今回第四巻の初版刷り部数は230万セット。今日の発売初日に向けて100万セットが店頭に並んだとも伝えられる。

 本が売れないと嘆いている出版社も多い中、初版で80万部という数字でもかなりのものだし、一般向けの超人気小説シリーズですら、このような刷り部数で出てきたものはほとんどないと思われる。僅かにマンガでいくつかあったとも聞く。
 初版230万部というのは、史上空前、凄まじい数だ。

 しかも、上下巻あるわけだから、冊数にするとその倍の460万冊である。
 書店も、早いところでは朝5時から、前日から並んでいる客のために、店を開けて販売したというところもある。本屋すら動かしてしまうこの力。
 それだけ、次の作品を心待ちにしている人が多いというのは、作家としても、日本でいえば翻訳者あるいは出版社としても、これほどありがたいことはないに違いない。本を読む面白さが体感できれば、また別の本にも手が伸びていく機会もあるから、出版業界全体にとっても悪い話ではない。

 電車の中で、このハリー・ポッターを読んでいる人を見かけたりすることもよくあるのだが、最近原書で読んでる人も時々見かけたりして、いろいろな意味で良い影響を及ぼしてくれているのではないだろうか。

 今までの国内でのハリー・ポッターの販売冊数は、1〜3巻合計で1234万部。4巻の初版を入れれば1464万部。
 現在世界中で売れた部数は、1億6千万部と言われている。

 この本こそ、本離れの子供(&大人?)を、呼び戻したという功績は、決して小さくないと見れば、ノーベル賞とは言わないまでも、文化功労賞くらいには値するか、などと本気で思ったりもしている。


riviera70fm |MAIL