日記でもなく、手紙でもなく
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2002年12月06日(金) |
都心再開発:六本木ヒルズ |
汐留地区の再開発は、居住エリアとオフィスが中心になり、それに店舗や四季劇場などが付加される感じではあるが、来年春に竣工する、森ビルによる六本木ヒルズの場合は、アミューズメント性がかなり強くなりそうだ。 地上54階建て、店舗数が200強ということで、映画館としてヴァージン・シネマズJapanによる9つのスクリーンにレストランを併設したシネマ・コンプレックス(しかも、連日深夜営業を行うらしい)を核として、複数あるカフェなども、朝7時から翌早朝5時までは、どこかがオープンしている、ほとんど眠らない超高層ビルとなる――という記事が日経に出ていた。
最近、昔と比べると六本木の街のパワーが落ちてきているような印象を受ける。むしろ溜池界隈とか、駅ができて休日の賑わいすら出てきた麻布十番などに、その重心が分散させられてしまったようなところもある。 この六本木ヒルズによって、六本木の起死回生となるかどうか、ということだけではなく、このビル以外に周辺部の店が恩恵を受けるかどうか、回遊性がつくれるかどうかなど、いくつかチェックされるべきポイントがありそうだ。
新たに進行する都心の再開発であるが、都心部のオフィスも、2003年中に東京ドーム48個分の227万平方メートル分が新たに供給されるという。この供給量、おそらく需要をかなり上回るものに違いない。それでなくても、古いビルの空きが、既にあちこちで目立っている。 賃貸料が安くなれば、利益の出にくくなった企業にとっては、それはそれでありがたいことではあるが、やはりもっと考えなくてはならないのは、新しい顧客をどのように創造するか、ということに尽きる。 カジノ作りは最後の切り札として残しておくとしても、核となるリピート性の高い装置を、都心にもってくるわけにはいかないのだろうか、などとついつい考えてしまう。
毎年毎年、ある期間だけでも、世界から多くの人々が「更に」集まってくるような文化性の高いイベントの開発なども、もう少し本気になって考えられてもよさそうな気がしないでもない。 世界都市と名乗る東京であるのなら、もう一度そのあたりのことをまともに考えておかないと、新たに再開発されたエリアに、以前は東京の別のところにいた客が流れていくだけで終わってしまい、決して東京のGDPを増加させるということにならない。客の取り合いというのは、東京の場合もっとグローバルな視点でやって欲しいものだ。 そうでなければ、ヘタをすると上海や広州あたりにそのうち負けてしまうかもしれない。
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