日記でもなく、手紙でもなく
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2003年01月09日(木) スマート・シェルフ

 米小売業でトップを独走する、というよりも世界最大の小売業、ウォルマートと英スーパー大手であるテスコ(Tesco)が、ジレット社と組んで、在庫をリアルタイムで把握できる<スマート・シェルフ>のテストを実施。導入予定の商品棚(=いわゆる、小売のシェルフ)は、ジレットのシェーバーやカミソリなどの商品(パッケージ?)に組み込まれたチップから出る高周波を感知できる仕組みになっている。並んでいる商品をスキャンして、商品が少なくなったり、盗難を検知すると、その情報がネットを通じて、従業員に通知されることになる――というような記事が、今朝のネット・ニュース(ZDNet)に掲出されていた。

 ウォルマートは、バックヤードの在庫をできるだけ持たないように、今世界で最もITを小売業に積極的に導入しているだけに、やはりここまでやろうとしているのか、という感慨を持ってしまう。(ただ、盗難を検知するというのは、別の仕掛けがないと難しそうではあるのも事実だが。)

 スーパーなどのセルフ販売では、売上ロスを最小限に食い止めようとすればするほど、店頭のシェルフ・チェックと同時に、その商品発注をこまめに行っていく必要があるが、いつもいつも店員がシェルフをチェックしているわけにはいかない。 結果、特定のシェルフでは一日○回、別のシェルフでは▽回とか、恐らく店別にある程度マニュアル化されている。ただ、このチェック〜発注についても、自動化できれば、一層の売上ロスが防げるだけではなく、チェック〜発注の手間=コストがそれだけ減らせることになり、ウォルマートでいえば、その分商品を安くできる、という意味や、一層の店頭における品揃え効率だけではなく、同じシェルフ数であったとしても、数品揃えの幅を広げることもつながってくるものだろう。
 あとは、この(スマート)シェルフや、場合により商品(パッケージ)に別途必要なチップなどの、導入及び維持に係わるコストをどの程度と捉えているか(初期投資をどのくらいのスパンで回収できる、と見ているのか)、なども、少し関心を引くところだ。


riviera70fm |MAIL