日記でもなく、手紙でもなく
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2003年06月30日(月) 鰻の産地

 明日はもう7月。
 7月の食べ物というと土用の鰻がすぐ連想されるのだが、ウナギの養殖というとすぐ浜名湖という図式が刷り込まれていたりする。
 しかし、今や浜名湖のある静岡県の養殖ウナギの生産量は全国第四位に止まっている。今日の日経に、県別養殖ウナギ生産構成比(2001年)が掲載されていて、第一位は何と鹿児島県。日本全国の養殖ウナギ生産量全体のうち38%を鹿児島が占め、愛知が34%、更に宮崎11%。静岡は1割にも満たない9%という数字になっている。

 実は、かなり以前から浜名湖というのは名目化していて、その反対に鹿児島鰻などは知られていなかった。それもそのはず、鹿児島県で養殖されたウナギは生きたまま出荷され、静岡/浜名湖で加工された後、<浜名湖の鰻>とラベリングして再出荷・販売されていた。ある意味で、鹿児島は浜名湖ブランドの下請けをやっていた、ということになる。
 ところが、食品表示偽装問題があちこちで発覚して問題になったが、昨年ウナギも産地を明示していく必要が出てきたということだ。鹿児島は鹿児島で、安価な中国産ウナギよりも<安全>を売らないと、生き延びることはできなくなってしまう。こうなると、『鹿児島鰻』もやはりブランディングが必要、ということになってくる。

 ところで、鹿児島県産ウナギのうち、大隈半島での養殖がその85%を占めるという。日本全国のウナギ養殖のうち、32%強、つまり全国の約3分の1が、大隈半島産のウナギ。安心・安全というのは確かに大事なことではあるが、それだけではなく(それを基本に置き)、鹿児島鰻として更にどのような付加価値をつけていくか、というのが勝負どころになる。<大隈半島>生産ということがその付加価値を高めるのであれば(例えばその自然環境や気候、土壌や水という風土そのものに由来する要素など)、そこから持ってくるという手はあるのだろうが。


riviera70fm |MAIL