日記でもなく、手紙でもなく
DiaryINDEX|past|will
国立近代美術館を出て、まだ時間的な余裕があったのでサントリー美術館のポスター展でも見ておこうと思ったのだが、地下鉄で行こうとすると大回りになる。タクシーだと、さほどでもないだろうと思い、どちらから回っていくかよくわからなかったので、近代美術館前でタクシーを止める。 赤坂見附まで、と言うと、ここでUターンしますので、と運転手。
工芸館の方向へ向かい、平河町へ出る。ここへ出てくるのだった。坂を下って左折すると東急ホテル前。
*****
サントリー美術館を出て、Café de Crieでお茶でも飲もうと思い、田町通り(ベルビー赤坂の裏手の通り)に入る。
その通りに入ってすぐのところにあるビルの1F入口に、写真展覧会の小さいリーフレットが案内板に貼られている。 リーフレットの写真は、見覚えのある、白いアオザイを着た若い女性が通りを横切っている写真。麦わらで作ったと思われるような帽子をかぶっていて、小さな庇に造花があしらわれている。 はっとするほど、女性の全身から感じられる美しさを捉えた一枚の写真。
このビル(紀陽ビル)の4Fに東京写真文化館のサロンというのがあり、そこで横木安良夫写真展が開かれている。 ちょっと覗いておこうと思い、エレベーターでそのサロンまで。さほど広くないスペースに、A4くらいに引き伸ばされた写真が、かなりぎっしり展示されているのが、エレベーターを下りてすぐわかる。
受付の手前横の壁には、この白いアオザイを着た女性の一連のカット5枚がかけられている。 これだけ見て、中には入らずに帰るのなら、入場料は要らないし、結果的にはそれでも良かったのかもしれない。
小さいテーブルを置いただけの受付で、入場料650円。テーブルの上には<昼下がりのサイゴン>という、エッセイと写真集を合わせたような本、絵葉書のセットなどが置かれている。 ちょっと入場料は高いかも、とは思いながら、入ってみる。
横木氏らしい人とまだ少し学生っぽい女性が、小さなテーブルで話をしている。 入ってみて、ああ、そうだったNHK−BSの「わが心の旅」で、この横木氏がヴェトナム再訪をしていたのが、確かにあったことを思い出した。番組の中で、なかなかきれいなモデルも出てきたし、留学してロシアでバレーをやっていたのだが、ヴェトナムに戻されたという少女なども出てきた。 その時に、このアオザイ姿の女性の写真が、番組の一番最初に登場していたのだった、そうだった。やっと思い出した。
出る時に、10枚入り絵葉書セットと、「昼下がりのサイゴン」を買ってしまう。 絵葉書のほうは、そのほとんどが、今回の展示では少なかったヴェトナムのモデル嬢などを撮った写真。
Caféで冷たいものを飲んで時間を少し潰した後、そこからもう少し通りを先に行ったところにある、創作中華の店へ向かう。 地下1Fの店へ入っていく入口には、まだ<仕度中>の札がかかっている。まさかまだ開いていないのだろうか、と思いながら、階段を降りていくと、掃除をしている。 まだ入れませんか?と尋ねてみると、どうぞというので、カウンターの席に。 餃子は変わらず、やはり美味しいと思う。海鮮刀削麺は、どういうわけか、麺の量が多くて食べきれず、残してしまう。
|