++ワタシノココロ++
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もうすぐ1年になる私たちの結婚式で
両親のつきあいの関係で仕方なく呼んだ来賓がいる。
自己顕示欲がかなり強いらしくて、 祝辞のお願いに自宅へ伺ったときも、そして当日も 自分がこれまでどんなことをしてきたかと言うことを蕩々と語った おやぢさん。 そういうおやぢさんとも、つとめていた間はよく接していたから 「器が小さいな」なんて思いながらずっと話を聞いていたけど
結婚式当日、彼が言った言葉で忘れられないフレーズがある。
「先日、我が家に2人で挨拶に来てくれたとき、 実は、私は2人に会うのは初めてだったのですけれど、 どちらが引っぱっていくとか、どちらかが後ろからついていくとか、 つまり、いわゆる亭主関白とか、かかあ天下とか言われるような 夫婦の関係ではなく、 肩を並べて歩んでいく二人なんだなあと、 強く感じました」
ひねくれた物の見方をすれば、
もしかして、あのおやぢさんが 結婚式の前日、たまたま立ち読みしたスピーチ集の一節を使っただけかもしれないし、 もしかして、もう何度も使い古してきた決め台詞だったのかもしれない。
けど、あのときの私、ううん今でも私にとっては 最高の賛辞だ。
今でも時々、あのときのあのフレーズを思い出す。 こうして、ちょっと足下を見落としそうになったときは特に。
私たちは2人でお互いを支えてる。 どちらも一家の中心。 頼りっぱなしも、頼られっぱなしも 私たちにはふさわしくない。
あのときのあの言葉を思い出して、 あのときの自分の気持ちを思いだして、
もう一度足元を見て 私は歩く。
前を見て。
やすくんと肩を並べて。
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