:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2003年10月26日(日)  火葬場

近付きすぎたことがそもそもの失敗の原因だつた
わたくしは支配から逃れさせても貰へず
かと云つて逃れようとする事もなく
その場に蹲つて居たようなので
 
と云ふのも記憶が定かではないのが事実であります
多分と云ふ言葉を使う事は好みませぬが
多分わたくしの内には虫が住み着いており
其の虫がわたくしにとつて都合の悪ひ事情を
旨いものであると勘違いをし さふして記憶を蝕んでいるのでせふ
 
何時かあなたが答へを濁し
濃すぎるココア等を滑稽に飲み干した事がありました
あの時分からわたくしはあなたに於いてのある程度を
見抜いていたと論ずるのは あなたにとって誠に不平でありませう
何時かあなたが聡明な瞳を
閉じたままにそれはもう開く事が無くなつてしまう時が来るのです
其の時分わたくしは如何して此処に留まる意味がありませう
あなたの云ふ「透明な石膏像」と化してしまつたあなたに
最早わたくしには ひとつも縋るやふな事情は御座いませぬ
 
「さようなら」と残して
高く高く昇る細長いあなたの足首のやふな煙を眺めること
それ以上に 恍惚を憶へるやふな景色が此の世には二つと無いのです


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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