:::排出系列:::
俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。
寒いよ 温もりが欲しくて日溜りに伸ばした筈の手は見えず 何時の間にか暮れ掛けた日が遠くへと去っていく 悴み始めた指先や 背筋を突き刺す凍える冬が もう 近くへときているのだろう あたしが温めていたものは 自分の感情なんかじゃなくて 実体を持った 本当の生身の人間だった あたしを温めていたひとは 常に傍に居るわけではなくて それでも何処かで存在していたと 感じていた 寒い 寒い 近付いている冬の気配に聞き耳を立てている 去りゆく季節と 拒んだ手の平 すべてが虚構といえるのならばそれはどんなに楽だっただろう
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