:::排出系列:::
俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。
受話器を耳に貼り付けて 流れてくる音楽には聞こえない振りを 止めど無い雑音と電波の所為で頭が痛む 時折訪れる小さな苦痛 優しい夢をみても 荒んでゆくままの感情は流されつづけ 遠く何かを探しても 見当たらないままに過ぎて行った時間はもう戻らない 惜しんでいたのは失った時間などではなく 見つめる先に見えるものは暗い闇へと続くことだった 開け放した窓から流れこむ冷気に凍えて それも何かの試練だろうかと 嘆きに似た色で悲しむ 遠すぎる言葉に遠すぎる糸を添えて 何かと何かを結び付けていれば はなれずに済んだのだろうか 下腹部の鈍い痛みに似た寂しさに 恐怖を感じて目を逸らしても 変わらずに佇む何かの影に怯えながら いつまで何を望むのだろう 錯乱した状態 困惑した倦怠 創造した実態 実在した懇切 魅惑され融解 硬直した現世
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