:::排出系列:::
俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。
滑稽なのは「願い」でしたか? 滴る血液は綺麗に拭き取られ 最早記憶の片隅に押し込まれようとしています 脳内で活動写真が廻ります 映写機はカタカタと鳴り あたしの記憶を映すのです 産まれ落ち、授けられた名前に固執し 失った物は数知れず 床一面に散らばります あたしの抱く空想は居なくなってしまった人達への追悼なのです 知って下さいませんか? あたしは一時も従順な動物ではなかったことを 忘れて下さいませんか? あたしが下した決断の幾つかを 砦を求め 海を越え 声にはならず崩れる崖 帷に包み 隠れた部屋 煙草の匂い 冬の風物詩 サンダルウッドの優しい薫り 思い出しては閉ざした眼 誰かの中に住むことが あたしの為になるのなら あたしは何にも捕らわれず 其れを実行したでしょう 露見すべき真実の在処と あたしを巣くう苦痛の源泉を盗み出して下さい 今夜もまたあの丘で待って居ます
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