:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2004年01月31日(土)  電線自殺

冷たくなった珈琲を喉へ流し込む
始発電車
虚空に響く鳴き声がわたしの何かに触れている
連なる家家も田園風景も
遠くに見える山も真っ青な青空ですら
わたしに何の感慨も抱かせはしないまま
事実は時に残酷に眼下にはっきり突きつけられる
古い駅の朽ちかけた柱
 
人をごみのように詰め込んで終点まで走り抜ける電車
靄のかかった情景に無感覚だ
電線の黒に親しみを感じる
そこに吊り下げられ
流れる電流を感じ
窒息し息絶えるのはどんな気持ちがするのだろう
 
醜い烏は見えず窮屈そうな人が
不審を以てわたしを見ている
クリーニング屋の看板に視線を移し
すべての雑音からの保身のために
ヘッドフォンを耳に当てる
綺麗な声の男の歌声
 
差し込む陽の光に酸素を奪われながら
それでもわたしは何かを掴んだ
それが
死人のように冷たい
誰かの手のひらだったのか
フェイクファーのように温かな
誰かの足首だったのかも判らぬままに


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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