2001年10月14日(日) |
NINAGAWA『ハムレット』…その2 |
…お待たせしました、その2でございます。(笑)<誰も待ってない。(^^; 日記の便宜上、10/14の日付ですが、観劇日は10/13…13:00開演の部について語ってます。ややこしくなってしまい、申し訳ありません。
それでは、『ハムレット』の舞台を観て、足りないと思ったもの中心に語ってまいります。…覚悟はよろしいですか?関係者様への通報はナシですよ?(苦笑)
オフィーリア(篠原涼子)…華やかさ 昔より、歌は上手くなってましたね。演技も…絶望的に下手なわけではなし、清潔感溢れるオフィーリアでよかったんじゃないでしょうか? しかし…私は四季版で野村玲子さんを観てるの〜っ! あの、年齢を感じさせない(失礼)可憐さには到底、太刀打ちできないって〜! (><) しかも、舞台やるには地味な顔立ちだから…オフィーリアとなると『…?…』と、思わずにはいられなかった。(。_。; でも、がんばってたよー! ただ、ハムレットよりもレアティーズの方を愛してるように見えた…。(汗) 私が間違ってるのか、役者さんの資質なのか…どっちだ〜!!
ガートルード王妃…気品 夏木マリさん、相変わらず美人でした。マダム・テナルディエと同一人物とは思えないほどの!(笑) ただ…ガートルード王妃をやるにはアバンギャルド過ぎるのではないのでしょうか。そういったことも演出の内のつもりなのかもしれませんが、個性が突出しすぎてガートルードに不向きな感がありました。 しかも、ハムレットの実母ですよ!?息子が市村さんですよ!?継母ではなく実母なんですよ!? ………本当に、それでいいんですか?(T^T) そう、問いかけずにはいられない。ぜひ、機会があったら蜷川氏に聞いてみたいものです。 …息子より若い母ってバケモノですな。(苦笑)
レアティーズ…清冽さ ……………レアティーズってもっと清廉な若者を想像してましたが、四季に続いて蜷川版でもこうとは、レアティーズってアブナイお兄ちゃんなのでしょうか? 舞台上で妹を押し倒す様は、ハムレットの時よりも恋着を感じました。 また、篠原涼子ちゃんが嬉しそうでね〜…き〜んしぃーんそぉ〜おかーんきょうーだ〜い!って思った。…賛同者求ム!
フォーティンブラス…高潔さ 私は、四季版のとき、フォーティンブラスがおじさんだったのがイヤでした。 しかし今回、ただの暴走族のヘッドといった感のフォーティンブラスはもっとイヤでした。 だって…ラストではデンマーク王宮の人間を皆殺しにしちゃうんですよ!? そんなのありですか!?(><) ハムレットがフォーティンブラスを次の王に…と言い残したのはそんなことのためではないはずです。 ハムレットは自分にはない勇猛さと復讐のために果敢に挑む魂の高潔さを感じたからこそ、王位を彼に譲ると言い残して死んでいったのに…蜷川版ではそれが全くありませんでした。しかも、そのようなラストだからめっちゃ後味悪い! あんなのが王位についたら国は亡びるって!!(T^T) 死者への敬意は払ってくれ。 しかも、やってた方はどなたでしたっけ…?(めちゃくちゃ失礼)…今、手元に資料がないので(^^;…顔立ちは悪くないのですが、華奢で存在感に欠ける上に…台詞回しが学芸会レベル…?フォーティンブラスは登場が少ないですが、それだけに強烈なインパクトがあって欲しかった。その登場だけで舞台のすべてをさらっていってしまうような個性のある役者さんがやったらこの舞台ももう少し締まってたのではないでしょうか。
演出…本質を見誤っているような気がしてならない。上記のラストも、キャスティングも…今までにないものを…などと思うあまりに脇道にそれてしまったとしか思えなかった。 若い演出家達に影響された厭世観のようなものも入りこんでるのかもしれない。 『リチャード3世』の例もあるから、一概にそれが悪いとはいえないけれど、本来の蜷川氏のいいところが損なわれているようにも思う。 『蜷川も耄碌した』『所詮は売れない役者だった』と言われないように、今一度自分のスタイルを見直して欲しい。 …切に、願う。
できれば、今度は気持ちよく観劇できるように…。
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