Stage Diary
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Yoshimi.Aが観た舞台の感想です。
レポートではなく感想だけを載せてたりすることが多いかも…。(^-^;


2003年07月30日(水) 『レ・ミゼラブル』

きっと、タイトルを見て、呆れた方も多いと思います。
一体、この人は何回観る気ですか?…って思ったあなたは、まだ理性がある方です。

しかし、絶対にこれは外せないんです!

しかも、今回は『最前列』ですよ!?

『最前列』!!


ああ、私の理性は焼き切れました。
公演中に鼻血(^ii^)ぷー吹いて死ぬかも…と思いました。

足を伸ばして観劇できる、座高の高い親父に邪魔されることなく観劇できる、観劇より、息子自慢と旦那の愚痴を優先させてるババァがいない…実に、いい席でした。

本当に、めっちゃええ席やん!

神様、こんないい席を取ってくださってありがとうございます。
私は無神論者ではありますが、神の存在を否定したりはしませんので、ありがたくそのご好意を受け取らせていただきたいと思います。ありがとうございました。

1回目の観劇より、2回目の観劇の方がよかったーと思えるのは、席が原因ではありません。
…だって、昨日だってB列ですよ!?1Fの!!
えへっ、いいでしょ。(*^^*)<それはさておき(笑)

でも、この日の朝のニュースで『71歳の女性が強盗容疑で逮捕される』というニュースが流れていました。その人は、消費者金融に借金があってどうしようもなくなって犯行に及んだのだと…。贅沢な暮しのツケによる借金ではなく、働けない夫との暮しを支える為に仕方なく借金をし、それでどうしようもないとわかっていながら、膨れ上がる借金を返すために強盗をするしかなかったのだと…。

それは、どうしても『1日の終り』を思い起こさせるニュースでした。
時代が変わっても、何も変わってないということを思い知らされるツライ事件でした。

そして、この日…私は漸く、気づきました。

主役はジャン・ヴァルジャンだけど、物語にぴしっと筋が通るのは『ジャベール』あってのことだと。(なんでそう思い至ったかについては言わずもがなですが…一応、内緒です(^^;)

今ジャベール…今ちゃんをはじめて認識したのは、アンサンブルでフイイを演じていたときだった。『共に飲もう』で最初に歌い出す…といえば、思い当たる方もいらっしゃることでしょう。ソフトで優しく、優しさで包れているような、そんな綺麗な歌を聴かせてくれた。『レ・ミ…』初心者だったその頃、幕間に『レ・ミ…』フリークを捕まえて役名から今ちゃんに辿りついた。そして、それ以来気になって仕方がない役者さんの一人であるのだが…今回はジャベールというのが問題だと思っていた。
今ちゃんの持ち味は低すぎず、高すぎもしない繊細なテノール。果たして、ジャベールという役柄に上手く声をマッチさせることができるのだろうか…と。
『ジャック・ブレル…』の公演のときにかなり激情を迸らせる声も、そして低い声域も聴いたので、概ね大丈夫だろうとは思っていたが、それでも一抹の不安は残っていた。
しかし、その考えを改めねばならない。
ただ、演技なんかはまだ手探り状態なところもあるように思った。舞台というものは、本当に毎日が繰り返しで終る人生じゃないからなぁ…。
でも、嬉しかったのはヴァルジャンとの対決シーンで、逃げようとするヴァルジャンを遮る反応が早かったこと。…やはり、村井さんもお元気なようでも、相当無理をしてらっしゃっていたのですね(;_;)…なんて思っちゃうほどにはスリリングな空気を感じました。でも、誠実そうなジャベール…それは今ちゃんの持ち味なんだろうけど、もっと苛烈さを出してもいいのではないだろうか。眼がちょっと優しくて、原作から感じたジャベールの原動力である怒りが今ひとつなのが残念。
『Stars』という…メロディは綺麗だけれど、歌う側にとっては厄介なナンバーがある以上、実力のある俳優さんがやってくれるのはとてもいいことだと思いました。
でも、叶うことならもう一度、あの『共に飲もう』が聴きたいです。
ジャベールを演じてくれることに不満があるわけじゃない。けれど、どうしても心に残っているあのメロディをもう一度聴きたい…ただ、それだけ。
『レ・ミゼラブル イン コンサート』があるらしいから、それでいいから歌ってくれないかな。<でも、かなり先の話。

順番が逆になったと思わないでもないけど、ヴァルジャン…昨日よりは今日の方が声の調子がよさそうだった。
観るたびに『演っている』ではなく、『ヴァルジャンになっている』と思う。
最初は、ラストの白髪の格好でも『金髪に見える』と言われていたくらい若々しいヴァルジャンだった。でも、今やそういう人はいないのではないだろうか。それはきっと、今回、別所さんや石井さんがヴァルジャンだから…という理由ではないはずだ。ましてや、祐一郎さんもトシだから…という理由でもない。(^^;
仮出獄をしたヴァルジャンが世間に背かれ、絶望の中で司教様と出会うシーンのほんの僅かばかり前、ヴァルジャンと眼があったような気がした…と思った瞬間、涙が出た。
それは、ヴァルジャンの眼があまりに深かったからだ。今までとは違う…でも、久しぶりにずっと見失っていたものと出会ったからだ。
私は、初めて『レ・ミ…』を観たときに逆戻りしていた。
そして、心が震えて、熱くて…どうしようもなかった。
前日の日記では、勝手なことばかり言っているが、その眼を見た瞬間に、そんなものはどこかへ消え去ってしまった。
それでも変わらず、『私はもうちょっとここで一緒に歌いたかった〜!』と思う場面はあるにはあるが…。

一生懸命にやっている人間の瞳を見ても文句を並べ立てることができるほど、私は愚鈍にはなりたくない。ただ、そこに『在る』こと…それが総てなのだと思う。
あれこれ冷静な部分を残して心の中で突込みを入れてるより、全身で音に浸ってる方がいい…。
それでも、あれこれ言っちゃうのが人の常というものなんですけどね(笑)。

高橋ファンテーヌは『コゼットの間違いじゃないの?』って思うほどにイメージが湧いてこなかった。思い出すものといえば、『アニーよ、銃を取れ』とか『Mozart!』のお姉さん。
こう、イマイチ…子供を預けて働く女性というイメージには程遠いような気がしていた。でも、まあ…思ったほどには違和感はなかったけれど、可愛いファンテーヌだった。一生懸命ではあるが、ぜんぜん報われない…そういう人っているよね、と思わせるのはいいが、少々、歌は物足りない気がした。

そして、この日も駒田テナルディエと峰マダム、この人たちは…おいしいナンバーがあるにもかかわらず、今ひとつ盛り上がりに欠けるのは客席をおいて、盛り上がろうとしているからかもしれない。やはり、テナルディエとマダムには有無を言わさず強引に引き込んでくれるインパクトが必要不可欠だと思う。峰さん…もう少し美人だってことを忘れてほしい。この人は、今までのマダム達と違って役を楽しんでないような気がした。役をこなすよりも、マダム・テナルディエは役で遊んでほしいと思う。
それにしても、『屋根の上のヴァイオリン弾き』のチラシももらってきたのだが、私は人に指摘されるまで駒田さんがわからなかった。
…いや、だって、あまりにも顔が違いすぎ。
何ですか、チラシのそのすっきりとした顔立ちは。…テナルディエとぜんぜん違うからわからなかったじゃないですか。本当に、整形でもしてるのかしら、と思うほどには別人にしか見えませんでした。舞台やってる人って、その役柄によって顔立ちがまったく変わっちゃうときがあるけれど、ここまで変貌が激しいのってどうなんでしょう。女優さんの変貌はもう、大分驚かなくなったんですけど、男の人でここまで違うのは珍しいのでは……。(^^;;;

エポニーヌは昨日よりはいい感じ。だって、Copy Catじゃない、演技と声だったから。
ちょっと小さ目のエポニーヌでしたが、それだけにマリウスに妹扱いしかされてない感じが出てて◎。結構、好きかもしれません。エポニーヌが死んでしまう場面ではもう、涙がとまらなくって、とまらなくって………涙で舞台が見えなくなる………ということはなく(苦笑)、最近では泣きながらも舞台をしっかり見る技を身につけてしまいました。
あまり、ハンカチでこすっちゃうと赤くなって、劇場を出てからが恥ずかしいので。
また、山本君が巧いからこの場面はすごい引き込まれるんですよね。

そして、この日の問題は…マリウス!
昨日も同じ配役で観たけれど、ごくごく間近…というか、すぐ目の前で観るとまた違ってきます。砦の場面、『僕が死んだならコゼット、泣いてくれるか〜♪』って歌うところなんか本当に近くて、ヴァルジャンと同じような気持ちで見守っちゃった(笑)。今まで、マリウスはあまり重要視してなかったんですが、うっかり、『カフェ・ソング』で泣いてしまったのは山本君が初めてです。
ここは今まで、仲間たちが現れるのはマリウスの心象風景のような感じだと思っていたのですが、今回のは、仲間達の魂はそこにいるのにマリウスだけが見えていないという感じがして、切なかったです。
そういう解釈もありなんですね。目からうろこ状態でした。

カーテンコールの時にお花を投げてくれるのが恒例になってますが、マリウスが『お花欲しい?』ってカンジで狙いをつけていたので、思いきり手を伸ばしたのですが、お花はお隣の方に行ってしまいました…残念。
嗚呼〜、もう少し早く気づいてたら…(><)
これでお花を貰ってたら、恋に落ちてたかもしれないですが、お花は隣の方にいってしまいましたので。

で、その時、多分…ものすごく悲愴な顔をしてたと思うのですが、そしたらすかさず誰かがお花をくれました。…マリウスのお花ばかり見てたので、どなたがくださったのかがわからないというのがお馬鹿ですが。(^^;;;
これも、最前列ならではの旨みでしょうね。

そして、ごめんなさい!2度目の観劇で昨日の今日であるにもかかわらず、またしても坂元君を探してしまいました。
ああ〜、なんだかな。(><)

○本日のキャスト○ ※キャスト・スケジュール掲載分だけ
山口ヴァルジャン、今ジャベール、新妻エポニーヌ、高橋ファンテーヌ、剱持コゼット、山本マリウス、駒田テナルディエ、峰マダム、坂元アンジョルラス


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