2003年08月10日(日) |
『シンデレラ・ストーリー』 |
ストーリーは言わずもがな…の有名なあのお話です。 『どうだった?』と聞かれれば、『楽しかった』と答えます。
でも、私はこれをミュージカルとは呼べない。
ミュージカル・パロディっていうなら、納得はできるんだけど…。
一流の方々を使って、B級作品を作る…ハリウッドのような遊び心ですね。 贅沢な…というか、日本も豪気な国になったものですね。(^^)
やはり、作曲家の武部さんにしても作詞の斉藤さんにしてもPOPSの人だから、ミュージカルというには音も詞も軽いというか…オケじゃないから音が薄っぺらいというか…まあ、芝居に音楽が盛りこまれてればミュージカルとつけれるってもんでもないだろう、と思ったりもしました。 まったくの駄作ではないけど、傑作ではない。けれど、まあ…『こういうのもたまにはいいんでない?』って思うくらいの水準ではありました。出来映えはともかくとして、楽しかったし、こういう内容のものは元気が出ますね! 全体的な流れには、もう少し改善の余地はありそうだけど、キャラがたってるからそれだけでも楽しめました。 それに、芸達者な役者さんたちがお客さんをちゃんと楽しませようとしてるところがいいです。 観終った瞬間にもう次を観たいと思ってるような作品ではないけど、何年後かに再演したら、もう一度くらいは観てもいいかもしれないと思う作品でした。
はっきり、『井上君を観に行った』が目的ですので、大抵のことには動じなかったというのもあるんですが(苦笑)。
で、その最大の目的の井上君=チャールズ王子は開演数分前から客席を回る宮廷の人たちに探されてました。 『チャールズ王子〜』と叫びながらも、松澤さんが開演2分前に席についてないお客さんに『早く座りなさい』って言ってたり、7か8列目のセンターの席がまだ空いてたので、砂川さんがそこに座って『いい席が空いてるんだね〜』ってお客さんに話しかけたり、その後、私の座っている方に降りてきてくれて『一緒にチャールズ王子を探してください』って言われたので、ここぞとばかりに『チャールズ王子〜!』って叫んだり、最初からお楽しみは盛りだくさんでした。
そして開演してすぐに甲冑の中から現れた井上君の笑顔はやはり、キュート! 『本当の愛』もいいナンバーでしたが、金色の甲冑姿で歌う姿に……笑いました。 だって、その姿はまるで百式!(>_<)だって、金色!!(ガン○ムマニアじゃないとわからないかも…) どうしよう……必死で笑いを堪えながらも肩を震わせていたところに、井上君と目があってしまったような気がします。(。_。; 今回も3列目のセンターというとてもいいお席で、Ticket BAMBIで取ってもらった席なだけに、とても気まずい! 笑うところじゃないんだけど、井上君はシリアスに歌い上げてるんだけど、でも、何故かツボにはまってしまって、笑いを押さえることが出来なかったのです…。
しかし、王子様…似合ってましたね。 シンデレラのちひろちゃんも可愛かった。 歌はもう少し頑張って欲しいけど、雰囲気はいいですね。 2人でいるシーンはほんわかして可愛い!
そうそう、これだよ!私はこういうのが観たかったのよ。 やっぱり、ロマンは必要よね〜(^^)…と、再確認してきました。 でも、シンデレラのドレス姿に食指がわかない私は『乙女の夢』からは遠い!(笑) ゴージャスなドレスから小汚いシンデレラの格好に戻っていく過程の衣装が凝っていて好き。 あとは、2人とも…もう少しコメディに慣れてね。笑いをとろうとする姿がイマイチぎこちない! 特に井上王子はがっちがちのグランドロマンには向いてるのかもしれないけど、コメディにはこれからさらなる努力を重ねて欲しいものです。がんばれ〜! とはいえ、泣かせるよりも笑わせる方が難しいものね…。
ひずるさんは、思いのほか高い声で…まさかあのお年であのような可憐なお声が出るとは思ってなかっただけに驚きました。役名も『ガートルード王妃』だったので、あんなにおっとりした役柄だと思ってなかったんですね。 宝塚にいた方は本当に芸の幅が広く、いろんな面を持ってらっしゃるので観るたびに驚かされます。
王様マヨマヨは…王妃が王妃だけに食われちゃうんじゃないかと思ってましたが、なかなか堂に入った王様ぶりで安心しました。ちょっと、アレ…な部分もありましたけど、ジャベールだった頃よりは、上手くなってました。 ジャベールだった頃に今くらいであって欲しかったけど…。(;_;)
お義母様………ものすごいインパクトありましたよ。 最近、女形をよく観るな…と思わないでもないけど、男の人がやるから、そんなに嫌味なだけの役じゃなくなるのかも…。 必ずしも女形でやらなければいけない意味はないのかもしれないけど、池田さんでやる意味はある! すごくよかったです。シンデレラへのいじめなんて間の取り方が絶妙! シンデレラへのイヤガラセで下着を撒き散らしていた時、金具が鬘に引っかかって慌てていた様が、その後のはにかんだ笑顔が…さらに笑いを誘いました。 しかし、そうかと思えば…コーラを飲む時の背中は『誰も客のいない場末のバーで独り寂しくグラスを傾けている』かのような哀愁が漂っていました。 池田さんって…奥が深い。
橋本ピエールも美味しい役どころでした。お義母様との掛合いに大爆笑〜! 王子に『本当の愛』のリプライズを『一緒に歌ってくれ!』って言われてポッケから歌詞カードを出す姿が、王宮の旗(綺麗にはためかせる為に扇風機付き)を持つ姿が、歌に入る為に一番上のボタンをはずす姿が、ドサクサにまぎれてお義母様の胸を揉む姿が、いちいち可笑しいんだよ〜! 付け加えるなら、この日…橋本さんは危ない橋を渡ってました。 池田お義母様に飛び蹴りした時、舞台すれすれに着地してしまい……あと、もうほんの5cmズレていたら、舞台から落ちてました。 客席も、出演者も、皆吃驚してましたが、一番驚いていたのが橋本さんでした。 舞台の前に設置されていたねずみが登ってくる為の梯子の上端がなかったら…もしかしたら、落ちてしまっていたかもしれません。 そんなことにならなくて本当によかったです。
チュー太郎の佐藤さん…魔法によって御者に変えられた時、『人間になったら毛が薄くなった』の言葉に『それは魔法じゃない〜♪』と即、歌い返したデーモン閣下。 さすが、腐ってもミュージシャン…。(ーー; なんで、こんなに可笑しいのか。
…デーモン閣下は何役もやっていたので、さぞかし忙しかったでしょう。 でも、いちいちキャラが違ってるんで、楽しい。 黒○さんのモノマネも観れた(聴けた?)し、衣装でも楽しかった…。 魔法使いの派手な衣装はいつもの閣下といういでたちだったのですが、宮廷ねずみのチューノ丞をやっていた時、チーズケーキ(喫茶店のウィンドウに飾られているような偽物)を肩につけていたのが私のお気に入り。 だけど、一番可笑しかったのは…いつものあの顔なのに、『シンデレラのお父さん』ってことです。 お父さんの時は肌色の顔を見れるのかと思っていましたが…あの、いつもの白い顔のままでした。…一度くらい肌色に塗った(アレが素顔だそうですから)お顔を見たかったですねェ。
それから、カーテンコールの時に井上君がお義母様のドレスを踏んづけて、睨まれていたのが…なんとも微笑ましい!(笑) しかし、お義母様の後姿に蹴りを入れる真似をしていた井上君は見た目通りの甘い顔ではないってことですね。 やっぱり、男はそうでなくちゃ…と思ってるあたりが、最後までお馬鹿。(><)
あと、この作品に言っておくべきことは…『シンデレラのドレスは消えてしまったのに、靴は何故消えなかったのか!?』という疑問をちょっと強引ではありますが…ちゃんと明快にしているところに拘りを感じました。 お取り寄せ魔法でレンタル…メルヘンなんだか、ファンタジーなんだか…(^^;
しかし、これだけ楽しいんだからもっと、プライドは高くてもいいのではないでしょうか。 『ディ○ニーのアニメでは…』とか、『ハ○太郎は…』とか、『の○太にしたいんですか!』とかの台詞は余計というより、うざったいものを感じました。 (呪文の『アイコウダイメイデン〜』とか『ヨシヅヤ〜』とか『シッポウシッポウ ミソミソ…』なんかはサービスのうちでいいですが) そういうのって、著作権とか…何も問題はないんでしょうか。 特に、夢を売ってるくせにわけてくれない、ドラマの撮影にも煩いあの企業は…何も言わないのでしょうか。 ま、それよりもそういうのを出してしまうからこそ、ミュージカル・パロディとしか思えないんですけどね。 オリジナルと銘を打つなら、そういう低次元な引用はいらないでしょ?
|