Stage Diary
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Yoshimi.Aが観た舞台の感想です。
レポートではなく感想だけを載せてたりすることが多いかも…。(^-^;


2003年08月14日(木) 『レ・ミゼラブル』昼夜2本立て

今まで、これほど贅沢をしたことがないというくらいの満足感だった。

もう、おなかいっぱいです…ごちそうさまでした。(^人^)

おわり

…で済ませたら手抜きだと思われるんだろうけど、満足しきってる時には言葉なんて出てこないし、劇場で感じたあの高揚感は表せないものなんですよね。

−−−鼓動があのドラムと響きあえば…−−−

と歌詞にもあるように、私の魂は97年から『レ・ミ…』色に塗り替えられてしまったんです。
シーズンごとにCD出してくれても、全部買っちゃいそうなほど魂を鷲摑みにされてしまったんです。<本当に欲しいよ…せめて祐一郎版を出して…。

それでもあえて言うなら…

祐一郎ヴァルジャンは観るたびに声が伸びやかになっていってる。前回よりは今回の方が断然いい!<祐一郎さん素敵フィルタスペシャルSuperが標準搭載されてますから。
ふつう、公演が続くと声が疲れてきたりするものだが、この人はそういうことがなく、だんだん調子が上っていってる気がする。
もう、一生ヴァルジャンしかやらなくても、劇場通いしちゃいそうなほど好きだ〜!(笑)

岡ジャベールは初めて観ましたが、いいですよ!
ジャベールにしては端正だけど、私はこういうジャベールが観たかった。
いや、ヴィジュアルが嬉しいというのではなく…!
(ヴィジュアルでいったら高嶋ジャベールが一番原作に近い…)
人物描写の掘り下げ方が深いとでも言えばいいのだろうか。
今までの方が演じてきたジャベールの存在は『職務』を象徴していた。
でも、私は原作本を読んだとき以来、ジャベールの根底にあるものは『怒り』だと思っていた。
刑務所で生まれ、父は誰かもわからず、それでも正しくあろうとしたのは『職務』ではなく、親や世間への『怒り』だと思っていた。『職務』は『怒り』を正当化させる為の手段だと…。だから、規律を重んじ、罪を憎み、それを犯すものに対して厳しい処罰を与えるのが当然だと思っている…そういうジャベール像を思い描いていた。
やはり、ミュージカルでは解釈が違ってしまうのかと少々残念に思っていただけに、岡ジャベールが見せてくれたジャベール像が嬉しかった。

玲奈エポニーヌは生命力に溢れたエポニーヌだった。やはり、ピーター・パンだから…?(笑)
今まで演じてきた方々とはずいぶん違う印象だけど、こういうエポニーヌもいいかもしれない。

岡田マリウスは…お名前を聞いた時にはピンとこなかったんですけど、声を聴いてわかりました。

『ロックだぁ〜!』

(by手塚治虫)

うう…またマニアックな話題になってしまいそうですが、手塚と宮崎で育った日本の子供としては避けて通れないです。『メトロポリス』好きです。
舞台上にいるのは紛れもなく岡田さんなのに、あの顔がちらつく…。(−−;
なんだか独特の声で、結構甘い音色ですね。耳元で囁かれたら、恋に落ちてしまいそうな類の…(笑)。でも、やっぱり『シンガー』の歌い方なんですよね。喉だけで歌ってらしゃるんで、感情表現がイマイチさらりとしたものになってました。

三遊亭テナルディエは開幕前からその経歴が話題になってましたが、端的な感想としては…『やっぱり、四季にいただけあって声だけ端正だ』でした。
テナルディエって(キャラ的に私は好きだけど)悪役だと見做されてるからもっと汚い音でもいいはずなんじゃ…と思うくらいに声が整いすぎてました。結構、面白い持ち味をしているとは思うけど、凄味に欠けるかな…。
そういえば、ヴァルジャンにコゼットを可愛がってることをアピールしてたシーンで、コゼットの顔中にキスしてたのですが、コゼットが嫌がって思い切りのけぞっていた姿に大笑いしました。…や〜、多感な少女にあそこまでやらなくても。(^^;

坂元アンジョルラス…初めて探さなくてすみました(笑)。
VIVA、2階席!
久々に初心に帰って、舞台全体を見渡した気がします。どうしても1階席ばかりだと役者さんの表情を追うことに終始しちゃいますから。<すごい贅沢言ってるよ。こういうことを書いてるから、嫌がらせされちゃったりするんだろうか(^^;;;

で、夜の方はといえば…

今井ヴァルジャン…いいじゃないですか。賛否両論聞いてましたが、私はいいと思う。
『彼を帰して』は聴きごたえありました。
ただ、ちょっと装飾過多気味。
もっとシンプルでもいいような気がします。
(舞台上で)ヴァルジャンになろうとするのではなく、ヴァルジャンとして生きてくれたら…その時にはもっとすごいことになってるかもしれません。

今まで、滝田ヴァルジャンは白く、鹿賀ヴァルジャンは青白い、祐一郎ヴァルジャンは透明…というようなイメージがあったんですが、今井ヴァルジャンはセピア色ですね。
初めてなんだけど、なんか昔に出会ってるかのような懐かしさがあったんで。

内野ジャベールは、可もなく不可もなく。
いや、昼公演で私のジャベールと出会ってしまったんで、もうジャベールに関しては何も言うことないし。
ただ、やっぱりこの人はストレートプレイの方がいいんじゃないかと思ったのも事実。

マルシアファンテーヌ…いいんだけど、所々アクセントやイントネーションがおかしい気がする。(ー^ー;
全編を歌い上げてるからまだあまり目立たないのかもしれないけど、間違える以前の問題ってどうなんだろう…?
雰囲気はいいだけに、もうちょっとそこを何とか…。(…って書いてて、そこが直されてたりしたらとても怖い)

森マダム…さすが、『生き残り』といわれるだけあって、安定してるので安心して観れます。雰囲気もコメディエンヌぶりも大好きな人ですが…コゼットに水汲みを命じるシーンで森さんがバケツをテーブルに置いたとき、コゼットが本当に飛び上がってたのですが…あれは本当に演技?(^^;
しかし、前の方のお客さんもコゼットと一緒にびくっとしてたのが面白かったです。

吉野アンジョルラスは…カリスマタイプですね。(^^)
背も高いし、探さなくてすみました(苦笑)。
坂元アンジョルラスが、『誰かが引き受けなくちゃいけないなら、皆のために俺がやるよ』ってなタイプのアンジョルラスだとしたら、吉野アンジョルラスはやはり、何がしかの『象徴』というタイプの違い。
カリスマタイプは一段高いところから皆を見守っているという印象を受けます。
原作も結構そういう風に書いてあるんだけど、アンジョルラスに関していえば、坂元君のようなタイプの方がうれしいかな…自分がABCカフェに混ざるなら!(笑)
しかし、かっこいいですよ…アンジョルラス兄さん!
エポニーヌが死んで、仲間に運ばれていく時、泣いてくしゃくしゃの顔をしたマリウスがその後についていこうとするのを止める姿にうっかり惚れてしまいそうでした。(*^^*)
昔、『ラ・カージュ・オ・フォール』で岡田さんと市村さんの息子役をやった時は『何であんな冴えないのを…』なんて思っててごめんなさい!
(…でも、忘却の彼方に追いやられてるのとどちらがマシだろう)

そして、この日も『カフェ・ソング』にやられる。(。_。;
…切ないですね、このシーンは。
仲間たちの魂はそこにあるのに、自責の念でいっぱいのマリウスは気づかない…そういうふうに観える。
今まで、この曲を『いい曲だ』としか認識してなかったんですけど…もうそれだけにとどまらないカンジ。

最初、今井ヴァルジャンの噂はあまりいいことを聞いてなかったんで、A席にしてしまったんですが、こんなことならS席にすればよかったです。
しかも、ラストの一番好きなシーンで帰ろうとしている客に遮られるし!
出待ちをするのはご自由ですが、他人の楽しみまで邪魔しないでください!
雨降りだったんで、傘を入れたビニール袋をがさがささせながら観てるのはいるし!
最近、マナーを守るミュージカル好きの席(ファンクラブ席・あるいはコアなファンの席らしい)ばかりにいたので、ちょっとしたことかもしれないけど、こういうことがすごく気になりました。携帯の電源を切ってなかったり、上演中に席を立ったり、話をしたり…すごく嫌な感じです。
でも、それとは裏腹に嬉しかったことは…夜公演の時に『一人できている男の人が増えた』ってことです。圧倒的に女性客が多いのがミュージカルの特徴ですが、こういうのってなんかいいですよねぇ…?

○本日のキャスト○ ※キャスト・スケジュール掲載分だけ
-昼の部-
山口ヴァルジャン、岡ジャベール、玲奈エポニーヌ、井料ファンテーヌ、剱持コゼット、岡田マリウス、三遊亭テナルディエ、峰マダム、坂元アンジョルラス

-夜の部-
今井ヴァルジャン、内野ジャベール、真綾エポニーヌ、マルシアファンテーヌ、河野コゼット、山本マリウス、駒田テナルディエ、森マダム、吉野アンジョルラス


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