2003年08月23日(土) |
『キス・ミー、ケイト』 |
『じゃじゃ馬ならし』がモチーフになったミュージカルで、バックステージ物で、劇中劇も楽しめて、一路さんと綜馬さんが出演してて…と聞けば、行くしかないでしょー! …とばかりに行ってきました、大阪へ!<いや、ほんとは別に大阪へ行かなくちゃいけない用事ができたものだから、そのついでなんだけど<言い訳くさい…(^^; 大阪は、暑かったですけど、名古屋より湿度が低い分、楽でした。しかし、あまりの日差しに耐えられず、途中で眩暈が…。そして、ホテルから劇場までは近いにも関わらず、日傘を購入…。それでも、そこはかとなく日焼けして帰ってきましたが…。
で、内容はといえば…いっぱい笑えました。コメディなんだから当たり前だろうと思われがちですが、くすりとしか笑えないコメディも多いものです。…そういうコメディは消化不良をおこしたように観劇後に蟠りが残るものですが。 ああ、馬鹿になるほど笑えるコメディというものは稀有で難しいものだと実感させられている今日この頃です。(何があったのかっていうのは突っ込まないでください) 客席から登場したり、舞台から降りてきたり…出演者の動きに合わせて、思わず身を乗り出してしまうことも何度か…。しかし、嬉しいことながら、残念なことが…。 私は、2階2列20番という席にいたのですが、いつもは、そうして身を乗り出すと後ろのお客さんから注意されてしまうのですが…後2列はいないし! 左隣もいなかった…。(その更に上の席種が違うだろうと思われる席にはぎっしりとお客さんがいたけれど) いくら大きな劇場とはいえ、こんなにごっそり席が空いていたのは久しぶりに見ました。 隣がいなくて、(荷物を隣の座席の下に置いてたりして)快適に観れたけど、『キス・ミー、ケイト』…イマイチ、人気ないですか? すごくおもしろくて、楽しいミュージカルなのに…。
華やかな主演女優の一路リリーと元夫婦で今はプロデューサー兼俳優な綜馬グラハムとの喧嘩のシーンは面白かった〜! さらに、二人の楽屋の違いも面白かった〜! 実際にはどうなんでしょう? やはり、女優さんの方がキレ〜イな楽屋じゃないといけないものなんでしょうか? それとも、お付きの人が勝手に(笑)綺麗に改造していってしまうのでしょうか?
最初は、バックステージから始まって、諸事情を抱えたまま、劇中劇の初日が開けるという話運びなんだけど、だんだん劇中劇なんだか、そうでないんだかが曖昧になっていきます。 最後は劇中劇が終了したと思ったら、この舞台自体も終了してました(笑)。 もっとはっきり区別をつけて終わっていくものかと思ったら違うんですね。 …劇中劇のカーテンコールと、『キス・ミー、ケイト』のカーテンコールと2度あると思った私は…(><) さらに、芝居はモダンに、劇中劇はクラシカルに…進むのかと思っていたら、これもまた裏切られました。劇中劇もモダンな感じで…でも、2度美味しい。
一路さんがまたお上手で…さらに、美人が怒ると迫力があるものだから、舞台に目が釘付けになります。ケイト(劇中の『じゃじゃ馬ならし』の役)では毒舌を撒き散らしながら、舞台上で暴れてたんだけど…マエストロにむかって、『何番でもいいからあわせてよ』って横暴なキャタリーナそのものでしたし、だんだん持っていた箒がバット代わりになり、素振りをしていた一路さん。 赤坂君が後で『ろ〜っこうおろ〜しに〜♪』って歌ってました。 はぁ…やはり、大阪は阪神づいてる。まあ、街中がトラ色なので、予想はしてましたけど…。
でも、シリアスなエリザベートもよかったけど、こういうお遊びも楽しいですね、一路さん。もしかしたら、エリザベートよりもリリーの方が好きかもしれません。
綜馬さんの場合はコメディ大好きって姿勢はわかるけど、声がドラマティックすぎて…どこか硬質な印象を受けるので、やはり笑いを取るよりも、一曲でもいいから多く歌って欲しい。楽しいのは楽しいんですけど…やはり、ファンが求めるものは芝居の流れとは違うのです。 ヅカの女優さんが登場しただけで拍手が起こるように…!(笑) 『キス・ミー、ケイト』は『ぶんだばぁ〜』(←敢えて、ひらがな表記)をはじめとして、すっと耳に入ってくるナンバーが多かっただけに、『もっと歌って』熱がごぉ〜っと音を立てて燃え上がりました。…そのタイトル通りに素晴らしいナンバーだったので、もう一度『ぶんだばぁ〜』が聴きたい。
とはいえ、ペトルーキオを演じている時に舞台から降りてきて、客さんの首を絞める真似をするところでは、最前列のお客さんが羨ましかった。 至近距離に綜馬さんですよ! 『ごめんね』って声をかけて貰えてたし!(><)
やはり、今度からファンクラブの恩恵を最大限に生かさねば…!
あと、赤坂君はJっ子だけあって身軽ですね〜。 歌が…というより、喉がイマイチ弱そうだってのが心配の種ですが、だいぶ年をとったと思ったのに(アイドルグループの頃からしたら結構年月が経ってるという意味合いです…)、あまり変わらず、ひょいひょいとセットをよじ登っていってました。…最近はJっ子でも踊れない子とかいるらしいんですが、ちゃんと踊れる子だったのですね。しかも、セットはかなりの高さがあるのに、笑顔をキープしたままってところが…。 まあ、それでもアイドルだった頃より今のがいいかもしれません。
そういえば、2幕で劇中劇の幕間に屋上(?)で出演者やスタッフが歌って踊る『クソ暑い』というナンバーがありましたが、まさに今の季節にぴったりでした。 ちょっと、『ウエストサイド物語』を思い起こさせるような雰囲気がありましたが、やはり、踊るの大好き本間さんが生き生きとしていました。 アンサンブルの人たちも、ここは本当に楽しそうでしたが…多分、覚えるのは大変だったろうと思わせる箇所…人数も多いし。 あと、ちょこっと吃驚したのが…ここの場面で煙草を吸ってる人がいるのですが…本当に火がついてました。うっすらとなんですが、煙が…! 煙草をくわえたまま踊ったりとかして…大丈夫なのかしら?
しかし、覚えやすく楽しいナンバーでしたので、劇場を出て、むっとするような熱気に覆われた途端、ほとんど無意識に『クソ暑い』を口ずさんでしまいました。(^^; 劇場を出たのは8時半くらい…でも、昼間と変わらない暑さでした。だから、余計に『クソあ〜つ〜い!クソあ〜つ〜い♪』がエンドレスで流れてました。
陽射しにあてられ、ホテルについた直後はぐったりとしていて、冷えぴたシートを額に貼って仮眠してた人間とは思えないほどに、終演後はうっきうきとした足取りで劇場を後にしていました。 …気分が悪かった人間は何処へいったんでしょう(笑)。
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