Stage Diary
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Yoshimi.Aが観た舞台の感想です。
レポートではなく感想だけを載せてたりすることが多いかも…。(^-^;


2003年08月26日(火) 『レ・ミゼラブル』

…燃え尽きました。
私の夏は終わりを告げました。
『レ・ミゼラブル』と共に…。

…『レ・ミ…』はまだ9月28日まで続くっていうのに、何を縁起の悪いこと言うてるのかとお思いでしょうが、私、9月は観に行かないつもりなんで。(とはいえ、辛抱たまらなくなったら、新幹線でばびゅーんと飛んで行ってしまうのでしょうが…ばびゅーんと!)

今のところは、行かないつもりなんで!

たとえ、バックステージツアーがあっても、S席が9000円、A席が6000円で売られていようとも、行かないんです!…今のところは(‐‐;

そんなわけで、舞台の余韻を噛み締めつつ、語ってゆきたいと思います。どんなに、言葉を尽くしても、たった一音で心が沸き立つ感動を伝えられるものではないですが。
今公演は最後なので、思い切りマイナーでマニアックなことも語ってもいいはず(苦笑)。
だから、この日の感想ではなく、「『レ・ミ…』と私」というタイトルでもいいのかもしれない。

『レ・ミゼラブル』…アンサンブルのミュージカルと言われ、プリンシパルであっても何役もこなさなくてはならない為、『どうしてあたしがこんな役を…?』などという先生には務まらないと聞いたときは少なからず驚いたものだ。
だって、それまでの日本の舞台の概念は主役たる人がいて、その人のために話を選ぶものだと思っていたから。今でも、そういう作り方をしているものは往々にしてあるけど、でも、そうでないことを『レ・ミ…』が教えてくれた。
だからこそ、アンサンブルが動く大道具でなく、そこで生きている人だと実感できるのだ。
そして、そういうミュージカルだからこそ、圧倒されるパワーは他の舞台の比ではなく、何度も観たくなる。見終わった瞬間から、もう次はいつ観るかを考えるミュージカルはそうそうない。
他の人もそう思うからこそ、終演後のチケット売り場には人だかりができるのだし、リピーターが多いのも頷ける。
千秋楽なんかは…いつも『レ・ミ…』フリークでいっぱいだった。

Q.何故、わかるのか?

A.いつのまにか、自分もそうだから(笑)。
そして、千秋楽にはお客様の拍手もタイミングがばっちりで、他の日のようにばらばらな拍手ではなく、慣れた…一際、大きな拍手だから。
さらに、幕間のロビーでは、『あの場面のモンパルナスが…』なんていうような、めっちゃコアな会話がそこかしこで聞こえてくるから。(^^;

シーズンごとにキャストが変わってしまうのは、残念なことであり、嬉しいことでもある。
場数をこなすにしたがって、目覚しい成長を遂げる人もいれば、いつまでも凡庸なままの人もいる。
でも、少しでも気を抜いてしまえば、プリンシパルでもアンサンブルに喰われてしまう恐ろしいミュージカルだと思う。
プリンシパルでもアンサンブルでも、巧い人は自然と視界に入る。たとえ、視界全面に祐一郎らぶらぶフィルターがかかっていようとも、それを突き抜けて心に残る人はいるものだ。最初は、『祐一郎ヴァルジャンでさえあれば、他の人はどうでも…』なんてことを言っていたのが…(^^;
いつのまにやら、岡アンジョルラス、戸井グランテール、浅利ガブローシュ、今フイイ、山形テナルディエ、加納ジャベール、鈴木ファンテーヌ、島田エポニーヌ、森マダム、山本マリウス、吉野アンジョルラス…なんてところに拘ってみたりして。
今、やっている人もいれば、もうその役をやってない人もいる。でも、年月が経とうと、そのイメージはあやふやになることなく、いつまでも心に残る。
『レ・ミゼラブル』を初めて観たのが、1997年7月6日…それ以来、どんなにキャストが変わろうとも、その時のことを忘れてはいない。ふとした場の転換の時など、舞台上に、在り得ざるその姿を探してしまう。(いや、別の役で帰ってきてくれた人もいるけど、それでも、その役に心を残している…)
そして、何かの折に触れ、他の舞台のキャストにもその名を探してしまうように…。

しかし、それでも『レ・ミ…』フリークというにはまだまだだと思う。初演から何百回と観続けてる人もいるし、全世界の『レ・ミ…』を渡り歩いている人もいる。
特に、ジャベールの自殺の場の『渦巻きの模様が変わった。前の方が渦に飲み込まれていくカンジがよかった』と嘆いている人を観ると…まだまだ浅いと感じざるをえない。<そこまでになりたいわけじゃないけど…(−m−;

この日は、1F A列ということもあって役者さんの顔を見る以外に、舞台の見所がないという席だった為(だから、そういう席に大枚はたいたのは自分であって、こういう贅沢を言うのはやめなきゃとは思うんだけど…)、渦巻き模様なんて見ることはかなわず、それどころか…舞台の奥のほうにいられたり、寝転がられたりするとよく観えず、後の席の人に悪いと思いながら…自然と座高がにょきーんと伸びる…(^^;、そんな席だったので見逃したところも多し…しかし、マリウスが振りまいた涙が見えたり、ヴァルジャンが目の前から飛び出してきたり、ジャベールが私の前まで来て消えていくとか…私の前でアンジョルラスがマリウスを力づけるとかの美味しいところもあるので、すごく幸せな時間を過ごした。
最前列だと…『一日の終わり』なんかを一緒に口ずさんでると、アンサンブルの片隅に入った気分が味わえます(笑)。でも、舞台の上から『何で、こいつも一緒に歌ってんねん』ってカンジの視線にさらされることもあるけど…。(自意識過剰じゃなく、あれは見られてる…と思う。しかも、プリンシパルの役者さんが名もなき役をやっている時なんかにも見つけてしまい、そんな時にも…っていうか、そんな時の方が何度も目があっているような気がした…)
だから、これだけロングランしてるとお客でも一通り歌えますって!
上演時間がか〜な〜り〜、短くなったんだから、歌ぐらい一緒に歌わせてくれ…(。_。;

ああ、もう…!どうせ、コゼットを引き取りに行く時の紳士然としたヴァルジャンがテナルディエとマダムにたかられて、椅子を倒すところがだんだん遠慮がなくなってくるだとか、娼婦のマドレーヌさん(『古ギツネ!クソババァ!』の人)が迫力を増してるだとか、工場でファンテーヌの喧嘩がだんだん派手になっていっただとか、『ここは工場だぞ』の歌詞が『私の工場だぞ』に変わっているだとか、ラブリィ・レディスがだんだんと『そこまでノリノリでやるか』ってほど楽しそうになっていったとか、今日は調子が悪そうだけど、何かあったのかなとか、衣装で学生達の名前がわかるだとか、香盤表なしでも誰がどこに出てるのかわかるとか、山手線で有楽町から乗車してきた人がアンサンブルの人だって、顔を見る前から気づいちゃっただとか…そんなことを上げればキリがないほどに、いつの間にかマニアへの道を歩み始めてしまいましたよ。

…『共に飲もう』で歌いだしてた役名がわからなくて『レ・ミ…』フリークの人に聞いていた私は一体どこへ…。(><)

遠い道を来てしまったような気がしてますが…それでも、心は足りない。
『愛で治せるならば…』ぜひ治して欲しいものですが、未だにそれに上回るものには出会っておらず…このまま、劇場で顔見知りが増えていくのかー…。(。_。;
(いや、それは楽しいからイヤじゃないどころか、お友達が増えるのは大歓迎ですけど!…でも、そのおかげで逃れようもない底なし沼にずぶずぶとはまり込んでいく)

そして、この日のヴァルジャンも冴え冴えとした美声だった。
しかし、最初の方では、いつになく険しい表情だったので…何かいやなことでもあったのかと思ったほどだった。(何事もなければいいのだけれど…。(^^;)
テナルディエとマダムに対する表情も冷たいもので、観るたびに椅子を倒すときの勢いが強くなっていく。この日も、勢いをつけすぎてテーブルに引っ掛けそうになったほど。…段々エスカレートしていくほど、この役は面白いということでしょうか。
ヴァルジャンじゃあ、某卿下のように笑いを取るわけにもいかないし…。
でも、この日心に焼きついたシーンは…砦で戦ってる時、ガブローシュが飛び出そうとしてそれをマリウスが追いかける時に、マリウスを捕まえようとした手が虚しく空を切る…ところを間近で見て感動。ガブローシュの見せ場の為に盆は回ってるから余り気づかないようなところなのに、ちゃんと演技をしている瞬間が嬉しい。
しかも、そんな目立たないところでそんないい演技をしていたなんて…!
前のシーズンはそんなことしてなかったじゃないですかっ!!

こういうシーンに出会えるから『レ・ミ…』は大好き。
嗚呼、全体を見渡すことはかなわないけど、やはりいい席ですねぇ…。

アンジョルラスは今日も町工場の社長さんというカンジで…皆に気配りしながらまとめてました。こういう持ち味ってなんかいいなぁ…って思えます。こういうリーダーだとふらふらついてっちゃうのがよくわかる。…さしずめ、私はビラで勧誘される市民か(笑)。
アンジョルラスはカーテンコールでバック転をしてるほど、絶好調でした。
…しかし、私は祐一郎ヴァルジャンに見惚れてて、着地の手を着いたところしか見れなかった…。(><)ダメじゃん…こういう肝心なところなのに、祐一郎らぶらぶフィルターの威力は強かった。

で、次はマニアックにアンサンブルについても語ってみたりして。
司教様は清廉な役どころなので、それに合わせて清冽な歌声を聞かせてくれるのに、その後の役ではファンテーヌをからかったり、テナルディエの宿屋でいちゃついてたり、レーグルも不真面目な学生のはず…!結構、極端な役が当たってると思ったのですが、お堅い司教の反動があるから、そんなに楽しそうなんですか?(笑)

マドレーヌさん(娼婦の…)は、今まで、思い切り大声で『古ギツネ!クソババァ!』と聞いていたので、最初はちょっと物足りない感がありましたが…観るたびに迫力は増していってますよ。実は、ここはやってみたい憧れのシーンなのですが(笑)、日常生活でこんなことを言ってしまったら…再起不能ですね。相手にもよるんだと思うけど、きっとカウンターがものすごいような気が…。
嗚呼、でも一度は言ってみたい…(^^;

クールフェラックが…なんだか小作りになってました。アンジョルラスに可愛がられたいオーラを発散してるカンジで…同じ役をやってる洋平君が可愛いから引きずられてる?
う〜ん、最初のいかにも極楽とんぼそうな(注:誉めてます。原作ではそういう役どころだから)、でも、やる時はやるんだという気概が感じられたクールフェラックの方がよかったと思うのは私だけでしょうか。…賛同してくれる仲間求む!

フイイは…『共に飲もう』を歌いだす時に、まだ緊張してタイミングを計っていたのが微笑ましかった。…この曲もムズカシイ曲だもんね、最初の一音が運命を決めるような…。それだけに、綺麗なメロディに乗れた時は感動も一入なのだけれど。

はぁ…今シーズン、最初に観たのが7/29。
それから、7/30、8/14昼も夜も、8/17、そして8/26とごくごく短い間でしたが、密度の濃い1ヶ月でした。
もう、初めて観たときから数えて…なんてことは考えないようにしてるのですが、それでも、飽きるということがないですね。しかも、この瞬間すらまた観に行きたい…。(^^;
そして、今シーズンは不満も多いけど、何だかんだと文句を言いながらも(笑)劇場へ行くことをやめられない。
ええ、もう病気なんです。
この病を治すのは、何があっても無理なような気がします。
こうなったら、墓に入るまでお供をする覚悟で…これからも、観に行きます。
(…つまり、禁を破って博多座も行きます。(^^;チケットさえ取れれば…)

そして来年は念願の、『レミゼラブル・イン・コンサート』だーっ!

○本日のキャスト○ ※キャスト・スケジュール掲載分だけ
-昼の部-
山口ヴァルジャン、内野ジャベール、玲奈エポニーヌ、マルシアファンテーヌ、河野コゼット、山本マリウス、駒田テナルディエ、峰マダム、坂元アンジョルラス


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