ふうこの日記
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2004年02月07日(土) 吉行淳之介

中学、高校の時。私は彼をひたすら愛していた。
彼の小難しい文学本もすべて読んだ。
「暗室」「砂の上の植物群」「夕暮れまで」・・・

本から発せられる淫靡で不健全な雰囲気を愛した。
私にとって最初に性を意識した相手だった彼。
その頃、私は男性と付き合ったことなんぞなかったが
「抱かれたい」と強く強く思った・・・。
彼に抱かれることが出来るのなら娼婦になってもいい。
彼が愛した娼婦に・・・。

彼に逢いたい・・そのためにはどうすればいいのか。
でも、本をすべて読破していた私にはわかっていたんだ。
私みたいな女は彼のタイプではないという事を。

宮城まりこ。

逢いに行った。
ねむの木の展覧会に来ていた彼女に。
2メートル離れた所から静かに見つめた。
「彼の愛した女・・・」
ちっとも美しくなかった。嫉妬心からそう見えたのかもしれない。

受験で上京した時、ホテルの電話帳で彼の電話番号を調べた。
世田谷区上野毛。彼の電話番号は普通に載ってた。
電話番号をノートの切れ端に書き写した、18歳の冬。

彼が亡くなって今年で10年。
早いねぇ・・・。







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