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2001年08月15日(水) 祈り (「夏・長崎から」というコンサートについて)

 今日は先の戦争の終戦記念日でした。戦争の犠牲になって亡くなられた方のご冥福を祈ります。そして、今もその犠牲の延長上にある人々の、心の平安、病ならば少しでも癒えることを祈ります。大切な人を失った人々の悲しみが、癒えることを祈ります。誰もが戦争があった事実を忘れることなく、二度とくり返さない将来を願います。今、日本は、現実の戦争は起きてはいませんが、みんなの心は平和でしょうか?今、現実に紛争が起きている国々や、地域、そしてその傷跡(地雷など物質的なものから、心の問題まで)に悩む国々や、地域がたくさんあることを忘れないでいたいと願います。

 シンガーソングライターのさだまさしさんが、毎年、8月6日、広島に原爆が投下された日、同じ被爆の地である長崎から、平和を祈ってコンサートをしています。今年は15回目でした。私は残念ながら、稲佐山でのコンサートに参加できずに15年もたってしまいましたが、放送されることがある年は、必ずテレビ参加しています。さださんは、自分が声高に平和について語りはしないそうです。数名の歌手が参加し、それぞれが持ち歌などを歌う。特別意識的に、平和を歌ったものを選曲するように歌手に依頼する事もないと思います。ただ、さださんは、玄関口になりたい、そうおっしゃいます。自分がここで言えることはいつも一つです、と、

「自分の一番大切な人の笑顔を思い浮かべてください。その笑顔を守ることを考えてください。」

そう言われます。それが、戦争なんかしない道につながっていくのではないかということです。そこから先は、戦争について、平和について、各々が考えていく問題であると。ただ、普段、今、戦争が無い日本という国にいて、つい、忘れてしまいがちになる、平和は当り前ではないということに、ふと考える日が、あってもいいじゃないか?そういう、思い出してもらう日があっていいじゃないか。そんな思いで8月6日のコンサートを続けていらっしゃるのではないかと、思います。

 その日がすぎて、何故このコンサート「夏・長崎から」のことを書いているかというと、今日、終戦記念日だということをテレビのニュースで、改めて気付いた自分がいたからです。昨日も終戦記念日だなぁ、明日。とか思ってたのに、今日、朝から忘れてたんです、私。で、ニュースを見て、そうだった、と思った瞬間に、またいつものフレーズが頭をよぎりました。戦争について、今も起こっている各地の紛争について、テレビで見たり、自分で考えたりする時に、思い出す歌。戦争ではなくて、人と人との間のいさかい。ぎすぎすしてくるだけでも、思い出す歌。それは、さだまさしさんの「祈り」という歌です。この歌は、「夏・長崎から」のエンディング近くで必ず歌われます。そして、コンサートがはじまって、93年に「広島の空」という歌が作られてからは、この曲もともに、歌われます。著作権の問題があるので、全歌詞は掲載できませんので、引用します。

 「私は祈る以外に、知恵も力も持たないけれど」

 私がいつも思い出す、というのは、このフレーズです。「祈り」という曲。83年11月30日発売の「風のおもかげ」というアルバムのラストに入っています。この歌詞の前が

 「命を心を奪い去ってゆく
  ちからも言い訳も総て許せない」

ラストはこうです。

 「短い花の命を、ささやかなこの愛で染めたい」

 人の命や心を奪ったり、壊したりするための言い訳などあるはずがない。どうして人は、人の命について粗末に考えたり、人の心を、傷つけたりしてしまうんだろうか。本当に、私は、「祈る」以外に、知恵も力も何も持たないんだなぁ、と思うけれど、祈る事だけでも、できる命が、心がある限り、祈りつづけていかなくてはいけない。そう、考えます。
 さださんが、広島の原爆投下の日に、このコンサートを長崎から発信しようと決意したのは「広島の空」という、93年10月25日発売の「逢ひみての」というアルバムの11曲目に入っている曲に描かれています。1番で、「もう、うらんでいないと彼女は言った。武器だけを憎んでも仕方がないと。むしろ悪魔を産み出す自分の心をうらむべきだから」と歌われる彼女とは、彼の叔母です。彼女のこの言葉を受け止めた時、さださんは「広島の空に向かって唄おう」と心に決めたそうです。もう彼女はこの世にはいません。この歌はこう続きます。

 「どうか、くり返さないで。くり返さないで」

 今日、終戦の日、各地でこの言葉がくり返されたと思います。戦争という、大きな悪魔だけではなく、小さな悪魔も産み出す心を自分も持っている。どんな痛みも、苦しみも、悲しみも「どうか、くり返さないで」そう、祈ります。

 重くなりましたかね。「夏・長崎から」絶対、いつか行きますよ。行って「長崎小夜曲」を現地で聞くんです。「お帰り僕の愛しいかもめ」と歌ってもらうんです。そこだけ切り取ると笑えますね。かもめですからね、私も。さださんは、このライブの皮切りに必ず笑顔で言います。
 「みんな、おかえり〜!」って。行って、そう言ってもらうんです。絶対に。


もっちゃん |M@IL( ^-^)_ヲタ""日常こんな劇場( ^-^)_旦""

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