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2001年09月16日(日) 「あと1マイル」、「大統領様」

 今、どういう風に世界は動こうとしているのだろうか?
 他人の血が流されて、命をかけて闘っているのに、お金だけの協力しかできないの。と、日本は湾岸戦争のとき対応して、嫌われた。だけど、唯一の被爆国として、「戦争は二度と繰り返してはならない」と主張するそれ自体は悪いと思えない。
 「聖戦」といっても、首謀者と見られる、金持ちのイスラム原理主義者は、犯行を否定する声名を出したと言うが・・・。じゃあ、誰なの。「真珠湾以来」と言われるが、本土にそれも、中枢に、攻撃をしかけられて、民間人の多数の命が奪われて、これはあきらかに、宣戦布告だ、とアメリカは受け止めているらしい。
 文明や、宗教や、根本的に価値観が、命に対する価値観と言うのだろうか、(来世を信じる過激派にとってね)違うから、話し合いといっても、困難を極めるのだろうか。それに、中東というか東ヨーロッパでの争いの歴史が長く、複雑すぎる。

 それにしても、本当にどうなるんだろう。「対岸の火事」とは思えない恐怖におののいているものの、だからと言って、かたずをのんで様子を見守るしかできてないのだけれど、もしくは、考え込みすぎて気分が悪くなるとか・・・だから、下手の横好き、ドラマの話を書こう、そう思っていたのだが・・・だめでござる。

 規模が大きくなる。束ねて国益を上げたり、陣地取りをしなければならぬ。そこへきて、絶対、儲けている人がいる。そういう構造も無きにしも非ずの中。どこへ向かっていくのだろう。

帰り道、というか、ふと、もう、声に出して歌ってしまうフレーズがある。

「『誰があなたに射てと命じたのか そんな風にお前を育てていない』
 母の声がいつも耳に残って僕はいい兵士になれそうもない」


 またもや、さだの歌で恐縮だが、これは、グレープを再結成し、作ったアルバム。時が経ったから「レーズン」というユニット名で、さだが、吉田政美と91年に作ったアルバムに入っている。手元にライナーノートがないので、確実ではないが、湾岸戦争のことを意識しているとは思う。もちろん、あれは、空爆が主で、どちらかというと、内戦そのものや、もう少し前のベトナムなどもイメージされて作詞されているのかもしれない。(また、確認しておきます、っていうか、知ってる人いたら、メールください)

  タイトルが示すとおり、彼女の恋人が「銃弾に斃(たお)れたのは」味方まで1マイルの場所。彼女のプレゼントの「腕時計の日付がその日で停まっていた」。そして、彼からの手紙が彼女に届いたのは、その日から1週間後。「右下がりの懐かしい文字が」上記の、母の言葉を綴ってあった。しかも、彼女がその手紙を読み終えたのは、戦が終わった翌朝。・・・やりきれない。

 「あなたは一体誰の為に 私まで捨てて戦ったのか
  よその国では若者たちが そしらぬ顔で遊んでるのに」

 彼女は、そう歌う。胸が痛む。私は、そちら側にいる。最后の頁に彼女の名前が520綴られていた。私は、この520という数字が、当時コンサートに行ったんだけど、話されたかどうか覚えてない。湾岸戦争で、そういうエピソードがあったんだろうか。どなたかご存知の方、ずっと疑問なんです。教えてくださればさいわいです。
 「あなたの手紙を何度も読み返した あなたの声は聞こえなかった
  最后の頁に520の あなたの愛が刻まれていた」

  そして、鮫島さんとの美しい、コーラスで
 『誰があなたに射てと命じたのか そんな風にお前を育てていない」
 母の声がいつも耳に残って僕はいい兵士になれそうもない」

 くり返される。私はくちづさみながら、涙がこぼれてくる。「いい兵士」ってなんだろう。だけど、誰も本当は「いい兵士」でいたいわけじゃない。任務だからだ。もちろん、闘う事が、愛する誰かを守る事になると信じているのかもしれないが、やられる側にも愛する、守るべき誰かがいるのだ。この歌の、母は、とても強い人だ。

 「ノーブル・イーグル」気高き鷲、という、作戦名までつけられたらしいが、それが本当に、無残にも亡くなってしまった人に報いることなんだろうか。(もちろん、テロ行為そのものは、許されるべきではないのは、誰もがわかっていることだけれど)「ビルの基盤は壊れたが、アメリカの国土は揺るぎもしない。」本当は、一人一人の仕合せが、たくさん集まって、平和が揺るぎもしないんだと考えたりするのだが・・・。

  強い母で思い出した。この歌も中学の時に聞いて(リアルタイムじゃないよ)深く感銘した。忘れられない歌のひとつ。ご存知だろうか?「大統領様」もともとは、フランスの歌で、実は、私の好きな小山卓治というシンガーが、89年にカバーしてアルバムに入れていた。とても誇らしかった。褪せさせない気持ちを感じたから。
徴兵カードをもらった若者が、自分は戦いたくないからと、逃げる、と、大統領に手紙を書いた、という歌詞である。日本語訳は、フォークの重鎮、高石ともやさんだ。

「大統領殿 お暇があれば 読んでほしい この手紙を
 僕は今 戦場へ行く 徴兵カードをもらったところ
 僕は逃げる 戦いたくない 哀れな人を殺したくない
 大統領殿 腹を立てないで 聞いてほしい 僕は逃げる」

父が戦争で昔死んだ。子供は泣いた。女手一つで苦労をした母も今はお墓の中。

「世界中のすべての兄弟 僕は行こう 言って歩こう
 人生を大切にしなさい 僕らはみんな兄弟だ
 血を流すならあなたの血を 猫っかぶりの偉いお方
 僕は逃げる 武器は持っていない
 憲兵達よ 撃つがいい 撃つがいい」


もっちゃん |M@IL( ^-^)_ヲタ""日常こんな劇場( ^-^)_旦""

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