Sun Set Days
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僕には密かなお気に入りの場所があって、でもまだそこを訪れたことはない。 と書くとなんだか禅問答のようなのだけれど、ようは電車の窓から見て気に入っているのだけれど、まだ一度も行ったことがない場所があるというだけのことだ。 その場所は、二子玉川。 電車の窓から大きな川が見えると、いつも意味もなく気持ちが昂ぶる。 本を読んでいても音楽を聴いていても、あるいは混雑に巻き込まれていびつな姿勢になっていても、二子玉川だけは見たいと思う。 僕はもともとこちら(関東)の人間ではないので、あの川が正確には二子玉川というのか玉川というのか、それとも多摩川なのかは実はいまだによくわからないのだけれど、それでも電車の窓から見えるあの川はいい、しかもかなりいい、と思う。 じゃあなんで行かないんだよという話になるのだけれど、なんとなく、行くとしたら初冬と決めてしまっているのだ。 僕は基本的に幼い人間なので、往々にして自分のなかに縛りを設けることが多い。たとえば、○○までどこそこには行かないとか、そういうやつ。そうすることによって、実際にそこを訪れたときにより感動できてしまえたりするのだ。 だから、個人的には初冬の、それこそ初雪が降りそうなくらい寒い朝に、まだ暗いうちに電車に乗って、二子玉川駅で下りて、あの川べりを散歩したいと地味に強く思う。そのときにはたぶん秋物のコートを着ていて、近くのコンビニで缶コーヒー(ホット)を買って、それをカイロ代わりにゆっくりと散歩したい。 そこには当然犬の散歩をしている人がいるだろうし、ジョギングをしている人がいるだろうし、もしかしたら釣りをしている人もいるかもしれない。もしかしたら街灯の明かりもまだついているかもしれない。そんな人たちを見やりながら、時間を気にせずに(なぜなら休日だから)、てくてく歩き続けたい。 あー、想像しただけで、散歩したくなってしまう。 でも、もちろんいまはまだ夏の終わりだから、それはまだまだ先の話だ。 そして秋も深まる頃、おそらくは会社の帰り道に、「あ」とか思う夜があるのだ。 冬の匂いがする夜が。 そうしたら、決行。
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Today's Music
「Evolution」 Boyz �� Men
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