Sun Set Days
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2001年09月18日(火) |
『ダンゴの丸かじり』 |
『ダンゴの丸かじり』読了。東海林さだお。文春文庫。 My Favoriteにも入れている『〜の丸かじり』シリーズの最新作。と言っても文庫化されているものなので連載していた時期は95年くらい。 相変わらず面白い。 書店で見つけてしまうたびに無条件に手にとってしまうシリーズなのだけれど、今回も読んでいて思わず「あるある!」とうなずいてしまうものばかり。 たとえば、「イチゴのショートケーキ」という話はこうはじまる。
当然ですが、目の前に赤いイチゴがのったショートケーキがあると思ってください。では、右手にケーキ用の小さなフォークを持ってかまえてください。さあ、あなたはこのケーキのどこから食べ始めるか。 あっ、ダメ、いきなりイチゴに行っちゃダメ。ダメって言ってるのに。
そしてどこから食べるのが正しいのか? という考察を続けていくのである。 あるいは、「ソースか、醤油か」という話ではこうだ。
コロッケにかけるのはソースか醤油か。 そりゃあんた、ソースに決まってまんがな、コロッケに醤油かけて食べる人なんかいまへん、と簡単にケリがつくようにみえて、このテーマは意外に奥が深い。
と、やっぱり様々な考察をおもしろマジメに続けていくのだ。そして読み進めるたびに、「そうそう!」と思わず声を発してしまったり、吹き出してしまったりする。解説で米原万里という人が「このシリーズを楽しめるほどの人は、出身がどこの国の人であれ、もう立派な日本人なんじゃないか」と書いているけれど、本当にそうだと思う。大体昭和くらいからの日本のごく普通の家庭の食生活を経験している人にとっては、本書の中で語られていることについていちいち強く頷いてしまうはずだ。
そうそう、あとこの本を読んでなるほどと思ったのが中国での有名ジュースの書き方。
56ページに書かれているのだけれど、「コカ・コーラは可口可楽、スプライトは雪碧、セブンアップは七喜と書く。」となっている。
その部分を読んだときに思ったのは、華子が香港にいたときにもセブンアップもあったかもしれないんだということで、もしかしたらそれを見つけて屋台のなかで飲んだりしたこともあったかもしれないということ。って、これは『落下する夕方』を読んだ人にしかわからない話になってしまったけれど。
また、冬虫夏草の簡単な絵もついていて(44ページ)、その下に書かれている文章「冬は虫だが、その虫にキノコが寄生して夏にはキノコとなったところを採取する」というのもなるほどという感じ。それまで冬は虫で夏は植物なんだってと言われていて「??」と思っていたのだが、絵になると確かにわかりやすい。でもちょっといやだけど。
さらには、東京にある「やけ酒」という名前の飲み屋について書いている話では、店内に畳1畳ほどの”皿たたきつけコーナー”があって、客が一枚180円の皿を買って「課長のバカヤロー」とか叫びながら皿を床に叩きつけることができるのだと書いてある。何分95年の話なのでいまもこの店があるのかどうかはわからないけれど、なかなかにすごいというか……
いずれにしても、このシリーズは、一度通し読みをしたときに気が向いたときに手にとって一話、二話くらいをぱらぱらとめくったりするのも楽しかったりする。
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Text Sun Set も開設から一ヶ月。あっという間のようでいて、Days のIndex を眺めていたら結構な分量だったりもして、日々の積み重ねなんだなあと納得。 とりわけ、どういう形であれ日記をつけておくと日々の忘れられがちな出来事を思い出すきっかけとなったりするようなので、それはそれでよいかもしれないと思う。もちろん、タラちゃんの謎の話なんかの場合は、読み返してその日の出来事を思い出すことなんかできやしないのだけれど。 ちなみに、日記の一覧のページで「2001年8月」とかなっているところをクリックすると8月の日記が全部まとめて読めるので常時接続じゃない人には便利かも。
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常時接続と言えば、いま非常にブームになっていて書店やコンビニで見るパソコン雑誌でもADSLの導入方法なんかがよく特集で組まれている。個人的にはとても興味があるのだけれど、別にいまの速度でもそんなに不都合はないしなあとか思ったり。 けれども、常時接続という言葉は確かに魅力的だ。繋ぎっぱなしで定額なのだ。通話料金を気にしなくてもいいのは冷静に考えてみるとすごい。 とか考えていたら後輩がAirH'を購入した。32Kしかスピードがないのだけれど、24時間常時無線接続。 実物を見ると、急に現実的に検討できるようになる。 後輩のノートパソコンのPCカードスロットにはAirH’がささっていて、朝ネットに繋いだら帰るまで繋ぎっぱなしなんだと言っていた。それで月々プロバイダ料金を含めて7000円くらい。 悪くないかもしれない。そう思った。 もちろん、フレッツであるとかADSLであるとか選択肢は幾つかあるのだけれど、焦りはしないけれど、検討だけはしようと思ったりしたのだった。
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