Sun Set Days
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2001年10月11日(木) |
Wal-Mart+1215キロ |
ウォルマート(Wal-Mart)という会社がある。アメリカのディスカウント・ストアであり、世界の小売業ランキング第一位の会社。 売上高は年間24兆円以上で、全産業を入れてもベスト3に入ってしまう。 おそらく、あと数年のうちに全産業で第1位になってしまうものと思われるような、そんなモンスター企業だ。 その、ウォルマートがあと数年のうちに(早ければ来年にも)日本進出を計画しているということで、流通業がらみの専門誌ではよく記事が書かれたり特集が組まれたりしている。カルフールのこともあるし、日本でもすぐに成功するわけでもないだろうなとは思うのだけれど、何しろウォルマートのことだから、何が起こっても不思議じゃないというのも事実。 黒船来航ということになるわけだし。 この、ウォルマートのすごいところは数多くあるのだけれど、なかでも、情報システム的な部分に早くから注力してきたという部分が大きいと幾つかの本には書かれている。当時、ウォルマートよりも規模が大きかったKマートという同じ業態の会社があって、そこは情報システムにどちらかというと力をいれてこなかった。現在、ウォルマートの1年間で伸びた売上高は、Kマートの一年間の総売上高と同じくらいの金額になっている。
たとえばすごいところのひとつは、店舗と本部の間に人工衛星があって、POSデータなどのやり取りを行っていること。店舗と本部の間に人工衛星なんて、ちょっともう、スケールが違う。 他にも、ショッピング・カートのなかの幾つかには発信機が備え付けてあって、お客様が店舗に入ってから、どういう順路で通路を回り、どの棚のどんな商品を手にとったのかということもちゃんとわかるようになっている。そして、蓄積されたそのデータを基に、売場の配置換えを行っていくのだ。Aという商品とBという商品を一緒に購入されるお客様が多いようだから、AとBを近くに並べてみよう、だとか。その方がお客様はより時間をかけずに買物を楽しむことができるようになるわけだし。現代の消費者は日常品を購入する場合に関しては、できるだけ短い時間で買物を済ませたいと思っているわけでもあるし。
ウォルマートはそんなふうに様々な仮説を立て、実施し、その結果を分析し改善や改革に結びつけることに関して、不断の努力続けているようなのだ。それなのでその成長力にも納得することができてしまう。すべてのベクトルが顧客の方を向いていて、コストに関しても徹底的に吟味して様々な施策を講じているのだからさすがと思う。 ただ、国内の会社だって規模こそ違えどそういうことを行っていたり、行おうとしていたりはするわけだ。ウォルマートが進出してくることは個人的にはすごく楽しみで、その影響は決して小さくはないとも思うけれど(と言うか、間違いなく大きいだろう)、だからこそなおさら国内の会社だってより面白くなってくるんじゃないかと思う。激しい競争時代に突入することにはなるだろうけど。
あと、これはまた別の話なのだけれど、以前人と話していて聞いた話。 イギリスのドラックストアで、風邪薬の周りにレモンやオレンジなんかのフルーツも売られていたというもの。 イギリスとか行ったことはないけれど、なるほど、という感じだ。 風邪をひいた人が果物をほしいと思うのは自然な流れだし。 そういうことをすることができるのって、小さなことかもしれないけれど、なかなかに大切なことかもしれないと思ったり。
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「日経おとなのOFF」という雑誌が創刊された。 書店やコンビニに置いてある。 僕はこの本が対象としているような「おとな」では全然(と言うかまったく)ないのだけれど、それでも買ってしまった。 理由は「カシオペア&北斗星 豪華寝台特急列車の旅」という記事が載っていたから。 カシオペアと北斗星。 鉄道関係に全然詳しくない僕でも名前を知っているこの豪華列車は、タイプによってはいまだにチケットが売り出されるやいなや即完売になってしまうことで有名で、最も高いカシオペアのスイートなんて2名で料理なんかを頼むと片道で10万円(!)以上もかかってしまうとんでもない列車だったりする。飛行機で羽田から新千歳に行くときの片道は20000円台だから、いかに「豪華」なのかが偲ばれると言うものだ。 そして費用だけでなく時間もかかる。記事によると、所要時間は16時間35分。たとえば上野を午後4時20分に発車する列車は、翌朝午前8時55分に札幌に到着する。1215キロも走るのだ。 これはもう、時間とお金に余裕がないととても利用できない。実際フルムーンというか、ある程度中年を越えた夫婦なんかが利用していそうな感じだ。列車の中、とは言ってもちゃんと個室になっているし、ベッドだってあるし、部屋によっては液晶テレビやシャワー室なんかも完備されている。個室で窓の外を流れる景色を眺めながら、のんびりとした時間を過ごす。そういうよさそうだなあという感覚を起こさせる意味ではかなりのパワーをもっている。 地元が札幌なので友人とかに「北斗星」はすごいらしいよという話をよく聞いていたのだけれど、詳しいことはわからなかった。もちろん、友人だって乗ったことがあるわけではなくて。ただ「すぐ埋まっちゃうよ」という話は本当によく聞いていた。それなので、この雑誌の特集記事はその前からあった興味を満たす意味もあって読んでみたかったのだ。立ち読みでもよかったのだけれど、ちゃんと読みたかったからつい購入してしまったというわけ。 で、読んでみた感想としては、「いいなあ」。 なんだかもう、すごくよさそうなのだ。 寝台列車と言えば、高校の修学旅行の時の地獄の3段寝台がトラウマになっている僕としては(ものすごく狭かった……)、もう別世界に感じられてしまうくらいに。食事だってフランス料理のフルコースや懐石料理だったりするのだし、まあフランス料理は別にそれほど食べたくはないのだけれど、それでも雰囲気というかトーンは統一されている。 まあ、こういう雑誌なのだから当然なのだけれど、興味をかなりそそる感じではあって、いつか乗ってみたいなあと思わせるつくりにはなっていた。最新型のカシオペアのほうには2人用の個室しかないのだけれど、北斗星のほうには「ロイヤル」という1人用の個室がある。その1人用のほうは片道3万4400円。それだったら、ボーナスのあとで休みもあって、チケットもあったら、頑張った自分へのご褒美として乗るのもいいよなあとか思う。帰省するときのひとつの手段として。 まず、チケットが取れないだろうけど。思い出作りと話の種にはいいかなあとか。 帰りは飛行機で帰るだろうけど、さすがに。
でも他にもいろいろな旅館なんかが載っていたのだけれど、「おとな」だけあって高いなあ、やっぱり。
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Today's Music
Des'ree 「Supernatural」
ものすごく久しぶりにラックから取り出して聴いている。 ジャケットの色のせいかもしれないけれど、早朝の霧がかった時間に似合いそうな声と曲。 「What's your sign?」と「Life」と「Time」がとくにすき。 映画『Romeo & Juliet』で使われていた「I'm kissing You」も収録。 外資系CDストアで絶対にプッシュされるような系統だし、実際にものすごくプッシュされていた。 「Life」のビデオクリップを一度見たことがあるのだけれど、一度なのにいつまでも淡く覚えているくらいによかった。 いろんなジャンルの音楽を聴くけれど、普段聴かないジャンルであたりを見つけたときにはとても新鮮な感じがする。 これを気に入る人の層は、かなり広いような気がする。 耳にすぐ馴染む感じだし。
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