Sun Set Days
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普段とは違うものに違和感を覚えるのは当たり前のことなのかもしれない。 先日、やや遅い朝に電車を待っていたら、僕の立っていたホームに回送電車が停車した。ゆっくりと、小さな音を立てて。回送電車だから、もちろん扉は開かない。 そのときに、微かな違和感を感じた。 すぐに「あ。」と思った。 照明が消されていたのだ。 それにはもちろんすぐに気がついたのだけれど、その一瞬の違和感がおもしろかったし、普段とは異なっていることで、電車本来の姿が明確に浮かび上がるような印象のようなものがあった。 だから僕は読んでいた本から顔をあげて、そのまま照明の消えている回送電車のなかをしみじみと見つめてしまった。 誰も乗っていないし、薄暗いし、中吊り広告なんかも奇妙に統一された静けさのなかに落ち着いている。 午前中だし、外はやや白っぽい一面の曇り空で、その電車の中だけが現実から奇妙にねじれてしまっているみたいだった。 たとえばいきなりこの電車の扉が開いてつい乗り込んでしまったら、忘れていた過去の記憶のなかとか、何かが決定的に異なっている世界にたどりついてしまうような、そんな感じがした。 もちろん、扉は開かなかった。時間調整のためだったのか、回送電車は、しばらくするとホームから出て行ってしまった。ホームに着いたときと同じように、ゆっくりと、小さな音を立てて。 それから二分ほどで、今度はちゃんと明かりのついた各駅停車の電車がホームに滑り込んできた。 今度は現実だ。間違いない。 そう思って、僕は扉が開くのを待っていたのだった。
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昨日の深夜に、ものすごくお腹が減ってしまって部屋から歩いて10分くらいのところにある、「吉野家」に行ってきた。 僕は24歳になるまで実は「吉野家」に入ったことがなくて(住んでいるところに、たまたまずっとなかったので)、先輩に連れられて入ったときにはかなり新鮮だった。いまでは牛丼が280円になっているし。すごい価格。 途中、坂道を下りているときに夜空には月が浮かんでいて、けれどもそれは思いがけずかなり欠けている月で。 ついこの間満月だったように思っていたので、なんとなく驚いたり。 それだけ、上を見上げることが意外と少ないということなのだ、たぶん。
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お知らせ
1週間に2回くらいは、月を見ようとなんとなく思ったりした。 また忘れてしまうのだろうけど。
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