Sun Set Days
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2001年10月19日(金) 季節

 今日も飲み。
 飲めないのに飲み。
 しかも、飲みってないときには全然ないのに、あるときには集中するので不思議なものだとか思う。
 実は明日も仕事が終わった後に飲みの約束が入っているし。
 今月は外食続きなのでエンゲル係数が高すぎるのだけれど、それぞれはじめて飲む人だったり半年振りに飲む人だったりするので、結局行ってしまっている。

 今日は3人で、個室っぽい空間がたくさんある居酒屋に入った。
 店内はやたらと暗くて。
 和紙の照明は定番だよなあとか思いつつ、いきなり大量のメニューを注文。
 しかもどれもかなり美味しかった。
 温泉卵の入ったサラダとか(半熟温泉卵をかき混ぜてから小皿に取り分ける)、レンコンの串焼きとか、鮭の北海漬だとか、出てきたものが当たりばかり。お通しのなすびの料理もとても美味しかったし。
 普段の食生活がかなりジャンクなので、美味しいものを食べるとやっぱり嬉しくなる。
 今日のアルコールもやっぱり中ジョッキを一杯だけで、後は定番のウーロン茶作戦。
 最後にはシャーベット(オレンジ味)。


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 昨晩は午前3時くらいまで起きていて、眠る前にコンビニまでちょっと買物に行ってきた。
 ものすごく喉が渇いて、冷たいお茶が飲みたくなったのだ。
 そういう欲求をおさえられる夜とおさえられない夜があって、昨晩は後者。
 何がなんでもお茶を飲まなくちゃ、と唐突な衝動に見舞われたのだ。

 外に出ると、随分と寒かった。
 昨晩はかなり寒い夜で、その時間にはさらに冷え込んでいて。
 吐く息も白い。
 思わずポケットに手を入れてしまう。
 見上げると空も随分と高くて、オリオン座がうっすらと輝いているのが見えた。
 坂道を下っていく間には、ずっと「さむいさむい」と声に出さずに言いながら歩いていた。

 寒いのは嫌いじゃないし、むしろ好きなほうだと言える。
 昨晩のような冷え込みが訪れると、いよいよ長い冬がはじまるのかもしれないと思う。
 もちろん、いきなりは冬にはならないし、そのひとつのしるしでもある初雪だってまだしばらく先のはずだ。
 それでも、冬は少しずつ街を覆い始めている。
 北風が吹いて、気温が下がって、葉がゆっくりと失われ、曇り空の午後には空気が鉛を帯びたような色になる。
 そしていつの間にか、街はすっかり冬の装いを見せるようになるのだ。
 その変化はあまりにも巧妙なので、いつも不意打ちのように思える。
 そうやって、季節は移り変わっていく。

 そんなときにはたとえば夏の記憶はあまりにも遠く、まるで夢のなかでみる世界のように現実感を失っている。
 夏は確かにこの街にも存在していたはずなのに、その痕跡はもうどこにも残っていない。
 つい数ヶ月前までは、たとえば電信柱の影に、あるいは遠くに見える交差点の向こうに、確かにそれはあったのに。

 そして、そういう巧妙な季節の変化が起こっているとするなら、それは深夜であるような気がする。
 みんなが寝静まっている頃に、ゆっくりと季節同士がその位置を変えていく。
 訳知り顔の月だけがそれを見ている。季節がおとといよりも昨日、昨日よりも今日、少しずつ動き続けているのを冷静に観察している。

 夜中の国道で信号が変わるのを待ちながら、目の前を躊躇ないスピードで飛ばしていくトラックや自動車を見つめながら、そういう子供じみたことを考えていた。
 夜になると、とりわけ夜中になると、どうしたって感傷的になってしまうから、ついつい季節のことを考えたりしてしまうのだ。

 聞茶を買って帰った。
 国道で信号を待っている目の前では、相変わらずたくさんの車が猛スピードで通り過ぎていた。


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 お知らせ

 お酒一杯しか飲んでいないのに、まだちょっと頭が痛いかも。


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