Sun Set Days
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現代はIT社会と呼ばれて久しい。 IT革命という言葉が盛んに流布されているし、ドットコムやe-コマースなど、インターネットを中心とした言葉や現象が喧伝されている。 ただ、ブームが起きればそれに乗ってくる人たちがいることもまた事実である。柳の下に鰌は二匹もいないはずなのに、それでも類似サービスや模倣をする人たちが後を絶たない。 たとえば、なんでもかんでも「e-」をつけるだとか、「.com」をつけるだとか。そういう安易な二番煎じ的なものが多いのが現実だったりする。 だから、そういった様々なサービスを利用する立場としては、しっかりと真贋を見極める目を持たなければならない。
じゃあ、どうやって見極めることができるというのだろう。 今日は、幾つかの例を挙げ、そのポイントを見ていきたいと思う。
まず、e-oden。これは偽物である。日本語に直すと、e-おでん。これは、売上に困ったおでん屋の店主が集客のための苦肉の策として考えたものである。 この場合のe-は「everywhere」である。「everywhere oden」。 直訳すると、「どこにいても、おでん」。 もちろん、そのおでん屋が姿を消したことは言うまでもない。
次に、お台場どっと混む。これは本物なのだが偽者という微妙な代物だ。正直な話まったくといっていいほどITとは関係がないのだが、フジテレビが自社ビルの近くでやっているイベント等を総称しているものであることは事実であり、そういう意味では本物である。
さらに、無線LANハンバーガーショップ。これは本物である。モス・バーガーが数店舗で実験を始めたものであり、店内で無線LANでの常時接続を楽しむことができる。今後、そういう店舗を増やしていくとのことだ。もちろん、どうしてハンバーガーショップでインターネットに繋ぐ必要があるのだろうという切実な理由が見つからないにしても、今後そういう場所は増えていくのだろう。本場アメリカのスターバックスも同じ事をやっているというニュースもあったし。
さらにe-ラーメン。これは偽物。この場合のe-は、「everyday」。エブリデイ・ラーメン。直訳すると、「毎日ラーメン」。 もちろん、栄養が偏るのでやめたほうがいい。
最後にe-denpo。こっちは本物。「e-電報」。インターネット上から電報を送ることができるサービスのことだ。僕も招待されたのに仕事で行くことができなかった友人の結婚式のときに、夜にe-denpoを使って電報を送ったことがある。クレジットカードの番号を入力するときにはいまだにちょっと心配だけれど、それでも便利ではある。
幾つか例を挙げてみたが、そこに共通する本物と偽物との区別は何か、なかなかにわかりずらいかもしれない。 e-odenもe-denpoも、そのネーミングセンスのいい加減さではそれほど大きな違いはない。 そして実は、導入部とは矛盾してしまうが、簡単な見極めの方法など存在しないのだ。 つまり、これはもう消費者の自己防衛になってくるので、詳細をよく調べて、本当に便利なものかどうかを自分で判別していく他はないのだろう。 これまで以上に、情報を選択する側に、使用する側に自己責任のようなものが求められてくる世界になっていくのだ。 もちろん、それも成熟社会の一つの形ではあると思うのだけれど。
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こんなところにもIT革命がシリーズ【動物編】
たぬき.com
きつね.com
e-くま
ITライオン
e-カモノハシ.com
うーん。
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お知らせ
e-odenとe-ラーメンはフィクションです。
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