Sun Set Days
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先日、ネットのニュースをチェックしていたら「次世代マクドナルドが横浜に! 座席でワイヤレス注文、無料でブロードバンド」という見出しが飛び込んできた。マック好きなので思わずクリックすると、なかなかに興味深い記事が書かれていた。 それは、創業30周年を記念して、11月1日に横浜の荏田にオープンするという次世代マクドナルドの実験店についての記事だった。 その店ではタッチオーダーパネルを利用して座席に居ながらにして注文することができて(スタッフが注文品をテーブルまで運んできてくれる)、また「マックBB」と呼ばれるオリジナルのブロードバンドコンテンツが座席で楽しめるのだという。他にも、オーダーが入るとドリンクが自動的につくられる「オートドリンクシステム」なども導入されていると書かれていた。 さらに興味深いのは、そんな数々の最新システムを一同に集めた次世代型店舗はその荏田西店のみの予定と書かれていたことだった。もちろん、個別の最新システムは今後様々な店に順次導入していくのだけれど、すべてを兼ね備えた店舗はいまのところ荏田西店のみに限られるとのこと。いわゆるアンテナショップ的なもの? のような感じだ。
このニュースを見たときからものすごく興味があって、早速その店に行ってみることにした。 荏田は東急田園都市線で言えば藤ヶ丘駅の近くにあるので、近くもないけれどそれほど遠くもないし。
さて、実際に訪れてみたマクドナルド荏田西店はフリースタンディング型の店舗で、ネットのニュースには国道246号沿いにあると書いてあったのだけれど、実際には国道246号沿いにはなかった。それはマクドナルドのHPで調べればすぐにわかるので確認すれば大丈夫。外観は、それほど従来の店舗と変わっているわけではない。 ただ、椅子とテーブルと内装は少し小洒落たデザインのものになっている。ちょっとだけ背伸びをしたような内装。次世代感を出そうとしているような感じだ。
特徴を以下に列挙すると、
・デジタルメニューボード……通常の店だと、カウンターの頭上にあるメニューなどが書かれたボードが液晶のスクリーンとなっていて、刻一刻と変化する画像が映し出されている。僕が見たときにはワールドカップがらみの販促の映像や、マックグルメの宣伝、オーストラリア産のビーフを使用していることなどがボード上に映し出されていた。
・マックトーキョーのメニュー……先日のDaysにも書いたけれど、サラダやスープ、シナモンロールなど、マックトーキョーのメニューが置かれている。カウンターの下が透明のガラスケースになっていて、その中に整然と商品が置かれているのを見ることができた。荏田は横浜市なのだけれど。
・オートドリンクシステム……レジでジュースの種類のボタンを押すと、自動的に容器が所定の場所に動いて、指定の飲料が自動的に出てくるよう。従業員はふたをするだけ。ベルトコンベアっぽい。
・メイドフォーユー……注文を受けてからハンバーガーを作るサービス。アルバイトさんがちょっと手間取ったのか、結局それなりに待たされて座席まで持ってきてくれることになった。
・レジのお客側にも液晶画面……マックグルメの宣伝の画面が映し出されている。
・水槽……店内に柱状の水槽があって、デジタルの熱帯魚が泳いでいる(たぶん本物じゃないと思う。よく見なかったのだけれど)。
・「マックBB」……壁際の幾つかのテーブルには液晶のディスプレイがある。WindowsXPとフレッツの文字。オリジナルのブロードバンドコンテンツを楽しむことができる。画面を指でタッチしながら性別や属性(こども、おとなとか)を選び、数種類の中から顔のタイプを選んだ後、6問ほどの心理テストに答える。 すると、その結果の性格が画面に表示される。そして、その結果にあわせたコンテンツが画面に表示され、それを再びタッチすると楽しむことができるのだ。僕の場合は、映画情報と、イベント情報と、DIMEの新製品情報の3つのコンテンツが画面に出てきた。ブロードバンドなので、最新映画の予告編なんかをその画面で見ることができるのだ。また、随時10曲以上のミュージック・クリップを見ることもできるようになっている。
・カウンターにいかなくても注文することのできるシステムはまだ稼動していないみたいだった。機械自体は店内に置かれていたけれど、座ったままではなく、その機械の場所にまで行かなければならないような感じ。
・「デジタルプレイランド」……店内の一角に子供コーナーが設けられていて、そこにある液晶ディスプレイで子供用のコンテンツを楽しむことができるようになっている。
・マックビジョン……オリジナル情報番組を放映する、天井からぶらさがっている大型液晶ディプレイ。
・制服。ズボンタイプの見たことがない新しいタイプのもの。グレー。
実際に行ってみた個人的な感想としては、それほど感動まではしなかった、というところ。 僕はマクドナルドはかなり好きなほうだけれど、ああいう店舗にする意図がいまいちよく見えなかった。何よりも初期投資がものすごくかさみそうな店舗だ。そういう仕掛けだけで他の同じような立地の店舗の何倍も集客できるとは思えないし、あくまでも実験なのだろうけど、ちょっと「?」と思ってしまった(もちろん実験はものすごく大切なんだけれど。そしてどんどんそういう実験をしていくところがマクドナルドのすごさのひとつなんだとも思うのだけれど。現状否定の姿勢ってやっぱりとても大切なんだろうし)。 ただ、この荏田西店が次世代マックの実験をすべて行う次世代店であるなら、やっぱりディスプレイはすべてのテーブルに置いて欲しいとは思った。また、ポテトとかでべたついてしまった手でタッチパネルを触らざるを得ないから、どうしても掃除の頻度も高くなるだろうなとは思った。お店側は面倒そうだ。 さらに言えば、席に居ながらにして注文することのできる仕組みがまだ稼動していなくて試すことができなかったのはとても残念だった。 オシャレな感じを出そうとしているのはわかるのだけれど、若い人もファミリーも取り込みつつ次世代的な雰囲気もということだったのか、結局中途半端な内装になっているような気が個人的にはした。 一緒に行った人たちも、同じような意見。付加価値的な部分は、線引きが難しいよなと思ってみた。
4人で行ってきたのだけれど、そんなに近いわけではないからもうなかなか行かないとは思う。 それでも、一度は行ってみたかったので、とりあえず満足はしているのだけれど。 期待していた分辛口になってしまったけれど、何だかんだ言って楽しくはあったし。 マクドナルドはどんどん新しいことをやり続けるから、そういうのを見ているのはやっぱり楽しいのだ。 実験の結果をふまえて、もっともっと楽しい次世代型店舗を作って欲しいと期待してみたり。
さてさて、次世代のファストフードは、一体どうなってしまうのだろう。 少なくとも、こういうデジタル系に特化した店舗というのは、確実に主流のひとつにはなるのだろうけど。
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