Sun Set Days
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2001年12月25日(火) |
ドラマ版『温かなお皿』 |
ナイス藤村俊二。 こんな書き出しではじめるのも何なのだけれど、江國香織クリスマスドラマスペシャル『温かなお皿』を見た。 短編集『温かなお皿』に収録されている幾つかの短編を、パッチワークのように縫い合わせたドラマだ。 見逃してしまうかもしれないと思ってGコード予約していたのだけれど、結局はリアルタイムで見ることができた。 テレビドラマを見るのは久しぶりで(ここ数日、電車の中吊り広告で必ずといっていいほど見かけていて、密かに日時を覚えておいていたのだ)、いったいぜんたいどんなドラマに? と思っていたので結構楽しみだった。 ついさっき見終わったのだけれど、具体的には、使われているエピソードは以下の通り(なんじゃないかと思う)。
『冬の日、防衛庁にて』〜愛人に逢いに行く妻の話。メインのエピソード。 『藤島さんの来る日』〜愛人の方のエピソード。料理が得意なのに、愛人が会いに来るときにはわざと料理ができないふりをしたり部屋を少し乱雑にしたりする。 『コスモスの咲く庭』〜お父さんが作る海鮮焼きそばのエピソード。 『ラプンツェルたち』〜女子寮ではないけれど、女の子たちが部屋のなかでパーティをする。 『とくべつな早朝』〜コンビニでアルバイトしている林君のところに、好きな女の子が早朝に逢いに来てくれる(ドラマでは夜だったけれど)。 『ねぎを刻む』〜愛人が、別れを決めた後「おまじない」としてねぎを刻むエピソードで。
あと、狂言回しのような形でタクシードライバー(坂本さん。演じているのは坂口憲ニ)が登場するのだけれど、これはエッセイ『泣かない子供』に収録されている『海!』からきているのじゃないかなと思う。夜にふらりと稲毛海岸の海まで江國さんが行ったというエピソード。
江國さんの小説を読んでいるので、関連するエピソードが出てくるたびに「おお!」とか思って楽しんでみることができたのだけれど、何も知らないでただのドラマとしてみたときにはそこまで楽しめなかったような気はした。 ただ、それぞれの話を破綻なくまとめあげているし、ある種のハッピーエンド(娘と林君)もあったのでよかったのだけれど。 (もちろん、エンディングの曲の歌詞「新たな気持ちでまたやり直そうよ」っていうところに今井美樹(妻役)の映像をかぶせてそれで終わりなのかと思ったのも事実。でもまあ、白黒つけることが常に必要なわけでもないということなのだろうし。そういう意味では現実的かもしれない)
テレビの前に椅子を引っ張ってきて、昨日食べきれなかった分のケーキを食べながらコーヒーを飲みながら見ていたのだけれど、なんだか覚えのあるエピソードのシーンになるたびに、一人で笑ってしまったのだった。 後半部分で、不倫をやめることを決めた愛人がコンビニでネギを買うのだけれど、そのときには「出た!」ってほんと思ってしまったし。
ネギだ! 刻むんだ! 本当に冷ややっこやおみそしるにどっさり入れてる!
そう思って一人で浮かれていた。浮かれるなよ…… もしかしたら、ねぎを刻むブームが到来するかもしれないとなんとなく思ったり。
あとちょっとだけ気になったのはタクシーの名前が「江國タクシー」だったことと(それはちょっとやり過ぎのような……)、前半で妻(今井美樹)が考えをめぐらせているようなシーンのときに、「世にも奇妙な物語」に似た感じの曲が使用されていて、なんだか恐ろしげな雰囲気を醸し出していたこと。
でもまあ、何だかんだで楽しく見ることができたのだけれど。
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プリンターってすごい。 なんだかしみじみしてしまうのだけれど、プリンターを買ってよかったと、心から実感中。 昨晩だけで、かなりいろいろなものを印刷したし、午前4時までかかって『筆まめ』で年賀状も作り終えてしまった(無事25日に出すことができた。これで元旦に間に合う)。 買物って、買うときに楽しくて使うときに満足できるのがとてもよいのはもちろんのことなのだけれど、現在のところかなり満足度が高い。 しかも、僕はもちろんCanonの回し者でもなんでもないのだけれど、とにかくスピードが速いのだ。 これからは興味深いホーム―ページも(意味もなく)どんどん印刷しよう。 はたらきもののプリンターとしてがんばってもらおう。 そんなわけのわからない決意を新たにしたり。
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お知らせ
小説の映像化って、やっぱりいろいろと複雑なものがありますね。
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