Sun Set Days
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2002年03月17日(日) 大阪の休日+『僕、はまじ』

 今日は大阪での休日だった。
 もちろん、横浜に帰ってもよかったのだけれど、休日は日曜日だけで(土曜日は働いていた)月曜日にはまた仕事があるため、そのまま宿泊していくことにしたのだ。
 午前中はメールを書いて、それから土曜日の分のDaysをアップする。
 お昼にビジネスホテルを出て、まずは床屋を探す。髪を切りに行きたかったのだ。
 そして、それほど歩かないうちに床屋を見つける。出張先で床屋に行くことが何度かあるのだけれど、そういうときには基本的にはあまり切り過ぎないでくださいというように注文する。さっぱり切ってくださいと言ったときに、自分と切り手との間でさっぱり具合の認識が違うことって結構あるような気がするし。

 散髪終了後、せっかくなので大阪城を見に行くことにする。
 確かにちょっと枯れているような気はするけれど、とりあえず一度見てみたいと思っていたのだ。
 大阪城公園は日曜日の午後ということもあってか、思っていたより賑わっていた。
 大手門の近くではビーチボーイズなどに合わせて踊っている集団がいて、家族連れやカップルがベンチに座っている。
 僕はその間をてくてくいつものように歩いていく。カバンを斜めがけにして。
 そして今回の出張は2週間の内に大阪と福岡で1日ずつ休日を挟むので、そのとき用にちゃんとシューズを持ってきていて、そのシューズをちゃんと履いている。結構履きつぶしたTRIMのベージュのシューズを。
 桜門から天守閣の前へ行き、そこの売店でたこ焼きを買ってベンチに座って食べる。朝から何も食べていなかったのだ。ハトがたくさん飛んでいた。
 それから天守閣に入る。
 8Fの展望台からは、午後になってやや曇りはじめた大阪の街が見えて、遠くに観覧車が見えていたりもした。以前に熊本城の展望台から熊本の街を眺めたときのことを思い出して、なんとなく不思議な気がした。そのときには当時同じ部署だった先輩と一緒にいたのだった。もう2年以上前のことになる。
 そこから順に階を降りて行きながら見学するのだけれど、秀吉の生涯や同時代についての解説が結構面白かった。戦国時代のエピソードは結構好きでいくつかの小説などで結構詳しかったりするのだけれど、秀吉に関しては改めて成り上がっていく時代のエピソードの方が面白いよなと思う。信長の死後、敵を討つところくらいまでの。それ以後は、人が変わったようになってしまっていて、ちょっとどうなのだろうと思うのだ。
 帰り際に、大手門のところにある売店で太閤焼というのを買って食べる。と言うか、ただのつぶ餡の大判焼なのだけれど。100円。

 そのまま、すぐ近くにある大阪歴史博物館で開催されている「韓国の名宝」展を見に行く。1200円。
 大阪城公園に行く途中面白い形の建物だなと思っていたら、16日から特別展がはじまっていることを示す看板が出ていたのだ。
 韓国の美術品なんて見たことがないし、美術云々には全然詳しくないので、おもしろそうだととりあえず建物の中に入ってしまう。

 結論としては、行ってよかった。おもしろかった。
 大阪歴史博物館自体が昨年11月に完成したということだったのだけれど、その展示会は新鮮だった。
 青磁や白磁の壺に、衣装、あるいは工芸品や絵画。そういったものが多数展示されており、百済や高麗など、昔の歴史の授業で習った時代のものと書かれてある。
 当然のことながら日本と同様に中国の影響を色濃く受けているように見えたのだけれど、独自の雰囲気もあり、興味深く見ることができた。

 紅白梅図
 江山無尽図巻
 鉄砂梅竹文壺
 幾つかの耳飾り

 などが個人的にはよかった。
 6月からは東京国立博物館でも同展が開催されるとのことだ。
 もちろん、この時期に開催されるというのはワールドカップ開催記念でもあって。
 
 建物の1FにSEATTLE'S BEST COFFEEがあったので、コーヒーをテイクアウトして、帰り道で歩きながら飲む。スターバックスに代表されるようなコーヒーチェーンのカップって、本当に飲みやすくて便利だよなあと思いながら。
 そして、そのまま散歩へ突入。
 とりあえずまっすぐ歩こうということで、30分ほど歩く。
 基本的にはビジネス街のため、人通りも店も少ない。
 堺筋本町という地下鉄の駅の入り口辺りまで来たところで、先に紀伊国屋書店の看板が見えたので、本でも買って行こうとそこを目指す。
 すると、なんとその紀伊国屋は日曜日定休だった。
 ええっ、としばし呆然としてしまう。
 どうやら、ビジネス街にある店舗のため、企業が休日である日曜日には営業をしていないみたいだった。
 
 けれども、捨てる店あれば拾う店あり。
 そのとき、どうしようかなと思っていたら道路を挟んだ反対側においしそうなパン屋を見つける。
「PAUL」というお店。
 せっかくだから、今日の夕食はパンにしようと思って、その店に入る。
 すると、なんと外観以上にかなりおいしそうな雰囲気の店内で、結構浮かれてしまう。
 この殺伐とした現代社会では、おいしいパン屋を探すのは砂漠で宝石を探すように本当に難しいのだ(←大げさですね)。
 店内ではケーキも売っていて、それもとてもおいしそうなので、パンを幾つか、そしてケーキも買ってしまう。

 お店に置いてあった紹介のチラシも持ってきたのだけれど、それにはこう書いてある。


 1889年、パンづくりの名職人シャルマニヨ・メイヨによって、フランス北部の町リールに生まれた老舗です。
 以来、独自の製法によって直焼きパンやデニッシュ、ペストリーをつくり続け、高い評価を得てきました。


 そうして、ビジネスホテルに戻ったときにはもう夕方になっていた。
 部屋でさっそくケーキを食べたのだけれど、これがかなりの当たり。特にイチゴのタルトのようなものを買っていたのだけれど、久しぶりにおいしいイチゴを食べたと思えるような味で。
 パンもおいしかった。
 値段が高いので(ケーキが500円近くした)おいしくなかったらショックだよなと思っていたので、さすがなのだなーと思う。
 地元では有名なのだろうなとも。


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『僕、はまじ』読了。浜崎憲孝。彩図社。
 結局購入してしまった……。
 200ページ弱のエッセイ集なので、結構短い時間で読み終わる。
 タイトル通り、「ちびまる子ちゃん」の主要登場キャラクターの一人であるはまじ自身の書いたエッセイ集だ。小学校時代の思い出から、現在にいたるまでのエピソードが幾つか語られている。
 裏面にはこう書かれている。


「はまじ」から見た『ちびまる子ちゃん』の世界。プールからの脱走。秘通信簿、漫才師を目指しての上京、清水の仮装大会で牛を演じる、etc……
 悲しくも楽しいエピソード満載!


 たとえば、これはインターネットで誰かの個人的な日記を見るようなものなのだろうなと思う。どの町にもきっといるはずの、それぞれの人生を垣間見るということ。
 世の中にはたくさんの人がいて、それぞれの人にそれぞれの人生があって、これもそのうちのひとつなのだなと思う。
 書店のPOPではどうやらこの本がかなり売れているようなのだけれど、それだけ「はまじ」の人生が気になる人がいるのだなと思うと、不思議な気はする。
 読んでみての感想はおもしろいとかおもしろくないとかの前に、「そうだったんだ、はまじさん……」というような感じなのだけれど。


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 お知らせ

 ケーキのイチゴは、本当においしかったのです。


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