Sun Set Days
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2004年02月19日(木) 『A Scenery Like Me』+『蜜』

『A Scenery Like Me』というのは、Charaのセルフカバーアルバムのタイトル。
 帯(?)には「名曲は二度生きる。」と書かれている。「“アーリー・チャラ・クラシックス”(91-94)を、今のChara色に染めた決定盤!」とも。

 そこに書かれている通り、Charaの初期の楽曲がセルフカバーで収録されている。
 曲は以下の通り。


 01 Break These Chain
 02 あれはね
 03 罪深く愛してよ
 04 青(新曲)
 05 PRIVATE BEACH
 06 No Promise
 07 愛の飛行船(新曲)
 08 time after time
 09 Happy Toy
 10 うそつくのに慣れないで


 ちょうど10年位前までの楽曲で、一番Charaをよく聴いていた時期の曲だ。もちろん、セルフカバーということもあり、現在のCharaのフィルターを通したアレンジが施されているのだけれど(なかには結構大胆にアレンジされている曲もある)、それでも何度も繰り返し聴いてきた原曲の原型が色濃く残っているのはすぐに感じられる。
 そのせいか、聴いていると学生だった頃のことを思い出したりもして懐かしく思えたりもした。もう10年前にもなってしまうのだ。年をとったなあと思う。もちろん基本的なところはやっぱり変わらなくて、好きなトーンや傾向というものは確かにあるのだなと実感させられてしまう。たとえば、Charaの声やうたいかたや楽曲なんかはそうで、何度も聴きすぎてすぐにチューニングをあわせることができるようなある種のトーンも、やっぱり懐かしく思えるし相変わらずすごく好きだと思うことができる。

 成長にもいろいろな形があって、かつて好きだった曲をあんまりよいとは思えなくなることも成長だし、かつて好きだった曲をやっぱり好きだと思えることもきっと成長だ。どちらがよいわけでも、どちらが悪いわけでもなくて、ただ対象と、自分が感じることだけがあって。そして一人のなかでも、物によって前者だったり後者だったりする。それはとても個人的なもので、たとえばどんなに仲のよい人とは同じようには共有することのできないものだ。そして共有することができないからこそ、他の人の好きなものについての話を面白く聞くことができるわけだし、興味深くも感じられる(あるいは全然理解することができなくて、その共有できない具合に驚いてみたりもする)。

 話を戻そう。
 個人的にはCharaのうたは年をとっても変わらずに好きだと思えるもので、そう思えることはなんだかんだ言っても成長しているのだということの証拠のひとつのように思えたりした。たくさんの出来事があって、住んでいる街も随分と変わって、10年が過ぎて、それでも相変わらずCharaのうたを聴いてやっぱりいいよなと思えるのだ。それはたくさんの選択肢を偶然にも正しく選んできて、いまの場所に行き着いたというような奇妙で風変わりな奇跡のようにさえ思える。
 好みなんてちょっとしたことで、あっという間に変わってしまうのに。
 好きだったものこそ、ちょっとしたことであっという間にだめになってしまうのに。
 それでもずっと(もう10年以上も)好きだと思えるのだから、やっぱりそれは稀有な偶然に導かれているみたいなことなのだ。

 たとえばこれから10年が経った頃に、そのとき新しくうたわれているCharaの曲に、やっぱり同じようなトーンを感じていたりするのだろうか?
 稀有なオリジナリティを持っているCharaのことだからそのときもまだきっと活躍していることだろう。
 僕にもそれなりにいくつかの出来事が訪れて、いまとはやっぱり違う場所にいることだろう。
 そのときにもそのときの新しい楽曲を(もちろんそれは今回のように新しいアレンジが施されたセルフカバーであるかもしれないけれど)、やっぱり好きだと思えるのだろうか?

 そうだったらいいなと思う。10年前の全然子供だった僕が好きだったように、現在の少しは成長したと思う僕が好きだと思っているように、10年後のまだ見ぬ僕(もうちょっとは成長しているといいのだけれど)も、好きだと思うことができたらいいなと思う。

 そう思うことができるように、ちゃんと歩いていきたいなと思う。


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 柴咲コウのアルバム『蜜』も買った。有線なんかでいくつかの曲を聴いていいなと思っていたくらいでちゃんと聴いたことがなかったのだけれど、アルバムが発売したことに合わせて購入してみたのだ。
 これも思いがけずよかった。まだ何度も聴いているわけではないのだけれど、もっと繰り返し聴いてみたいなと思えるようなアルバムだった。


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 今日は(も?)仕事帰りに後輩と3人でラーメンを食べに行く。大阪出身の後輩(女)は「関西ラーメンってどんなんやろ……」というようなことを話していた。
「関西に有名な店ってあるの?」と訊ねると、「天下一品」という名前が返ってきて、ふにうにさんの日記に出ていた店だと思い「京都の店なんでしょ」と言うと、「よく知ってますねえ」というようなことを言われる。
 よく知っているというのとはちょっと違うのだけれど、不思議な偶然(のようなもの)にちょっとだけおかしくなる。
 よく考えたら、店には関西出身者が多いなあと思ったりする今日この頃。


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 お知らせ

『A Scenery Like Me』はレーベルゲートCD2というやつで、iTunesには録音することができないのです。
 残念。


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