Sun Set Days
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今日は23時少し前に部屋に帰ってきて、ご飯を食べてから『ムーンライト・マイル』のDVDを見た。 いまは午前1時10分過ぎで、さっき見終わったところ。 これはタイトルに惹かれて(ローリング・ストーンズのマイナーな曲の題名とのことだ)、以前から気になっていた作品だ。物語は、結婚式の数日前に銃撃事件に巻き込まれて婚約者を失った青年が、深い悲しみに沈む婚約者の両親と一緒に暮らしていくというものだ。しかし、実は青年は婚約者が死ぬ3日間前に婚約を解消していた。けれども、二人の悲しみや怒りを考えると、それを言い出すことができないでいた。そして、同じような境遇にある一人の女性と出会って……というもの。 物語は、静かに、悲しみをまとって続いていく。劇的な展開などはなく、ただゆっくりと少しずつひとつひとつの出来事がぶかっこうなパズルを埋めるように組み合わされていく。ダスティ・ホフマンとスーザン・サランドンという名優のリアリティ溢れる演技も手伝って、ある種のトーンを作ることに成功していたと思う。
マサチューセッツ州の架空の小さな町を舞台にしているのだけれど、70年代という時代設定と、地方特有の郷愁を感じさせる風景が相まって、印象的な風景を作り出していた。時間がゆっくりと流れていたように見える時代と場所の感覚が思い出された。時間は等しく流れているはずなのに、その速度はときや場所によって随分と異なって感じられる。そしてこの物語は、人の優しさだとか常識だとか、まだそういうものが色濃く残っていたような時代の話だった。
物語はゆっくりと進み、人によってはそれがもどかしく感じられるかもしれないけれど、妙に印象に残った。 それは、胸の中にある郷愁のようなものを、やわらかく押されたように思えるせいかもしれないけれど。
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お知らせ
最近は少しずつレンタルDVDを借りて見ています。今月見たのは『ジェヴォーダンの獣』(うーん……)と『10日間で男を上手に振る方法』(かなり笑えた)です。
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