2006年08月21日(月) |
自分にとってのキリン。 |
あの姿が脳裏に焼き付いて離れない。
奥に突っ込んだブレーキングポイント。 短くも鋭い、しかも余裕を持ったブレーキング。 同様にマージンを残しながら瞬間的に車体が向きを変えるリーン。 マシンが出口を向いている事を、マシンをホールドした下半身で感じながらクリッピングポイントに向かってアクセルオン。 放っておけばだらしなくラインをはらんでいく車体を、下半身のホールドで確実にラインに乗せていく。 ラインに乗ろうが外そうが、進路がクリアーならフルスロットル。 炸裂音とともに次のコーナーへ向かって瞬間移動する。
あの姿が脳裏に焼き付いて離れない。
簡単に再現できると思っていた。 あれはタイアの空気圧を調整してなかったのが悪かっただけだと思っていた。 でも、それだけじゃなかった。 空気圧や気温やキャブセッティングや足回りの状態。 なによりライダーのコンディション。 あらゆる条件が高い次元で調和していて、あれは理想に近かった。 あの状態ならもっともっと速く走れたはずだ。
あの時の自分の姿が脳裏に焼き付いて離れない。
あれを再現したくても、あらゆる条件が整わなくて。 あいつい追いつけない。 あいつを追いきれない。 あいつに離される。 まるで地平線を走る銀馬のように。 それが僕にとってのホリゾンタルグレイズ。
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