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甘い甘いピンクの飴 - 2004年02月17日(火) それはそれは綺麗な透き通ったピンクの飴と 引き込まれるかのような悲しみのブルーの飴 どこで買ったのか それとももらったのか どうしても思い出すことが出来なかった 卓上ライトの下で 2つのリボンのついたビンを眺めながら考える きっとこのピンクの飴が幸せの飴で このブルーの飴が悲しみの飴ね ううん もしかしたら ピンクの飴が惚れ薬で ブルーが解毒剤かしら 使い古された漫画のネタのような事を思いながら そっと指先でビンを弾く そうだ 明日あの人にあげてみよう まるで思い出したかのように何気なく きっとあの人は笑って口に放り込む そしてアタシと恋に落ちるの アタシの一言に笑って泣くんだわ 離れると呼吸も出来ないって足元にすがりつく いっしょにお風呂に入って 体中を洗ってもらう 指の先から髪の毛まで アタシの為に布団を用意する 食事くらいは作ってあげるの 真っ黒になった魚を見て笑いながら おいしいって言ってくれるわ でも 次は黒くないのがいいなぁって言いながら 朝になって目が覚めたら コーヒーの香り これだけは得意なんだって自慢気に入れてくれるの 休日には二人で公園で日向ぼっこ くたびれた老夫婦みたいに 家で一日テレビを見てるなんて事はしない 記念日には奮発して食事に行くんだ 着飾ったアタシをウットリ眺めながら 幸せだって呟いてくれるわ あの人がブルーの飴を見つけて 口に入れてしまいさえしなければ。 幸せな夢は 朝が来ると終わる 綺麗な綺麗な飴は 朝の光で色あせて見える あんなに輝いて見えたのに 現実は 何も変わらない 何一つ変わらない一日 憂鬱な一日がまた始まる そしてアタシは 飴のことなんて忘れてしまう。 水鳥。 ...
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