【読書記録】島本理生「あなたの呼吸が止まるまで」 |
タイトルを見て、重くてねっとりした依存的な恋愛なのかな、島本さんは恋愛作家さんになる予定なのかな(とりあえず現段階では)なんて思っていたのですが、読後の感想は困惑。今まで読んだ著書は『一千一秒〜』が最新で、今回は著者名を見て手に取ったのですが、今までとは大きな流れが違っていてこう、苦しいっていえばいいのかな。読んでいて締め付けられているような息苦しさを感じた。まったくの真骨頂かといわれると、そうじゃなくてこう湿り気を含んだレースのカーテンみたいなイメージが共通してると思う。 この本をどう咀嚼したらいいのかなと思って、amazonを見たところ、帯の内容にひかれて手をとったけどうーん…という内容が多くて、ああ帯を見て入っていくとまた違ったイメージなのだろうなと思いました。なので、今回はストーリー紹介が後半。私としては島本さんなら初期のお話が好きだなぁ。今回の主人公だって年齢さえを変えてしまえばノーマルにナラタージュに近づくような気がしなくもない。(方向性が) ストーリー:十二歳、小学生の朔は舞踏家の父との二人暮し。お父さんが家を空けることはしょっちゅう、そしてお父さんの舞台を見に来る人はちょっと変わった人たちがいっぱいいて、世間一般とはずれている。そんな日常をクールに見られる朔は、年齢よりもちょっと大人びていてしっかりしている。クラスメイトで物事をはっきりいう鹿山さん、そして気になる田島君。お父さんの知り合いで雰囲気が素敵な瑞江さんに、優しくしてくれる佐倉さん。普通の小学生が少し変わった環境で送った生活。NO.13■p187/新潮社/07/08
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2008年05月14日(水)
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