【読書記録】朝倉祐弥「救済の彼岸」 |
デビュー作と、デビュー後一作目(出版二作目)のこの本を手に取ったのですが、デビュー作はあまりにも文体が硬くて、わかりあえそうになかったので、数ページであきらめました……。(たまに最初からわかりあえなさそうな本はあきらめるという手段にでます) そこで、二作目ならばどうにかなるかなぁと思って読み始めたのですが、ストーリー紹介はなんとか書けるけど、その後の展開がなさすぎて、紹介はできないなと判断いたしました。最後の数ページに意味があるわけですが、それすらもうーん納得出来ないなぁ。お話は、部屋にこもって暮らす三十路過ぎの男(貯金を切り崩して生活しているので、パラサイトなどではない)が、ある日突然代理人と名乗る女の訪問により、自分が近い将来殺されることを宣言されて始まります。しかし、彼は何をするでもなく、ただ今までのように部屋の中でたゆたう日々。何をしようという意思も様子もほとんどなく、劇的な展開などはありません。この展開を、どう租借すればいいものでしょうか――。NO.63■p186/集英社/07/03
と放置してしまうのも無責任かと思って、調べました。結果としてうっすらみえてきた情報を提示すると、 ・そもそもデビュー作から独特の世界観がある方で、文芸誌から2chに及んで話題になったようだ(amazonより) ・このお話は、やはりすべてを放置して突き進んでいくスタイルで、結論は出ていない。よって、この空気を楽しむべし。 ・…正直、これが感じられるのはそれぞれの感性によるものなのか、年齢によるものなのかは判然としない。しかしながら、少なくてもこの最後までどうなるのかわからないという前提でも読み続けられる方じゃないと耐えられないと思う。 ――というところでしょうか。総じていろいろ難しい本だったと思います。
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2008年11月09日(日)
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