日々是迷々之記
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朝起きると快晴だったので昼から外出してみることにした。木曜日以来だから5日ぶりだ。
しかしふと膝の包帯を見ると、10円玉くらいの大きさにシミができていた。血液の透明部分のような感じだ。「むむむ!」と思い点滴をしに来た看護婦さんにつたえた。するとテクテクとM先生がやってきた。包帯を外し、中を一瞥すると「大丈夫、大丈夫。」とのこと。それよりも傍らに置いてあった本で盛り上がってしまった。
その本は「耕うん機 オンザロード」耕うん機で日本を旅している旅行記だ。M先生は書評か何かでこの本を知ったが、書店で見つけることができなかったという。「どこで買いましたか?」と訊かれたので家の近所のバイク好きなおじさんのやっている書店だと伝えると、「ちいさなお店でこういう単行本を置いてるなんてええお店やなぁ。」と言っていた。
M先生は副院長なのに必ず毎日回診に来ているのでとても休みが少ない筈なのに、本をよく読むみたいだ。
わたしは本を読む大人が好きだ。本を読むのはあんがい面倒だ。何を選ぶかも迷ってしまうし、テレビのように目さえ開けていれば内容が分かるわけでもなく、買った本はじわじわと部屋を侵食してくる。それでもあえて読む。読んだからといって賢くなる訳ではないのに。(わたしがいい例である。)
お手軽に楽しめることが世の中でいっぱい溢れている中で、文字を目で追うという楽しみは地味だけど、いつの時代も変わらないそして終わりのない行為だ。っとくどくど書いたがオモロイから読むだけやと思う。しかも自分一人でどこででもできる。そこには「友達とつながってなきゃ不安」みたいな感情は一切ない。潔くて好きだ。
それから外出してファミマで雑誌を買った。パソコン系のディープな本なのだが、表紙が週刊大衆かポストのようで気恥ずかしい。「萌え萌え〜」とか書いてあるし。でも、面白いので買うのだ。学生時代「近代麻雀ゴールド」「ガロ」「宝島」を電車の中で読むのがちょっと恥ずかしかったことを思い出す。
明日はビーパルの発売日だ。こうして毎日雑誌を購入すると帰るときに泣きをみるのはわたしなんだけど、やめられない。
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