日々是迷々之記
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2001年11月24日(土) 霧の森のち青空

明け方にぱかっと目が覚めたのでロール紙をいれたきんちゃく袋を携えて、テントからのそのそと出た。すると、あたりは真っ白だった。濃厚な霧がかかっているようだ。道の向かいにある建物すら見えない。湖面の水からゆらゆらと水蒸気がたちのぼっているのか?

一気に目がさえてしまい、ちょっとまわりを散策する。丁度夜が明けたころだ。クルマはほとんど通らず、かすかな波の音と、鳥のさえずり、そして真っ白な霧。何か別の世界に来てしまったような感覚だ。

用事を済ませてテントに戻り、すこし入り口を開け、寝転がって空を見る。雲の中で横になるような不思議な感覚に包まれつつ寝てしまった。

「がががっ!」音で目を覚ますともう12時前だった。道路工事をやっているようだ。テントから外に出ると、まっさらの青空が広がっていた。数時間前に私が見た霧はどこに行ってしまったんだろう。もしかしてまぼろしだったのかな?というようなきっぱりとした青空だった。

ダンナさんも工事の騒音で目を覚ましてきたので、朝食兼昼食にする。昨日のシシ鍋しウドンを投入するだけだ。これまたうまくて無言でがしがし食べ進む。シシ肉はエライ!というのが今回の感想だ。

2時過ぎまでコーヒーを飲んだり、りんごを食べたり、あたりを散策したりしてまったりのんびりと過ごす。久しぶりの感覚だ。のんびりと撤収をして、ダンナさんの寮に荷物を降ろしに行く。だんなさんが部屋に運び込む間、駐車場でぼんやりと木立を眺めた。

そこには柿の木があって、枝に付いた状態で干し柿になっている。へただけ残されている部分もある。子供の時は良く見たけど、最近はめずらしいなぁとしみじみ思ってしまった。隣の家では庭でちいさな焚き火をして、落ち葉を燃やしているようだ。

暮れゆく空、焚き火の煙、実りの時期をすぎつつある柿の木。なんだかしんみりしてしまった。こういうものに目を向けられる余裕があることに感謝。仕事さえちゃんとあれば、こういう土地に暮らすのも悪くないなぁと思い出す。

ちょっとレンタカーを返すまで時間があるので地元のショッピングセンターに行く。駐車場がだだっぴろく、建物もこれまただだっぴろく、海外のショッピングセンターのようだ。中の通路も広くてのんびり買い物ができる。駐車場は8割方埋まっていたが、中は空いているように感じる。ゆとりがある作りなんだろう。

近江米の新米を買うかどうか迷ったが、荷物が重いのでまたの機会にすることにして、ショッピングセンターを後にした。クルマを返し、居酒屋で夕食にする。ここでもシメサバを頼む。今日は焼きとろしめさばだ。焼いたシメサバは初めてなのでわくわくする。お味の方も良く、シメサバを焼くという技に感動した。松茸の土瓶蒸しも食べ、胃袋もひたすら幸せな週末だ。

私一人、電車で帰路に付く。最初はさびしい気持ちもあったが、慣れたせいかそんなに気にならない。変な人と遭遇したときは一人より二人の方がいいけれど…。

寝入ってしまい、気が付くと京都だった。もひとつ寝てしまって気が付くと新大阪だった。ドアの横に移動して、着いたら即下車した。バスに間に合うか瀬戸際だったのだ。残念ながら5分ほど前に終バスは出てしまったようだ。地下鉄に乗り、家に戻る。

すっかり酔いも醒めたと思い、ちょっとだけ焼酎をロックで飲むと、どぉ〜んと来てしまった。いかんいかんと思いつつ、布団を敷き、早々に潜り込む。寝袋もいいけど布団もいいなぁと思いネムリについた。

結局寝るのが好きなようだ。いやはや


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